病人


36個


※このジャンルは"病人"をモチーフにしたジャンルですが、実際の疾病と同様に書いているモノではありません。

実際に台詞と似ている疾病等あると思いますが、人を傷付ける材料にされないよう願います。




1「どうしてそんなに明るいって…うーん。…明るく見える?

そっか。なら良かった。

…なんでって、だって、コイツ絶望してるんだなーとか思われたくないし?

ふふっ。私だって悲しいよ。まだ死にたくないって思うし…なんで私がこんな目に遭(あ)わなきゃいけないの?とも勿論思う。

でも、そんな悲しみにも絶望にも負けたくないんだよね。」



2「クスッ。皆、入院したら学校を休めるから良いとか言うけどさ。やめといた方がいいよ。病院って、孤独だから。」



3「ねぇ?今日は何をしに来てくれたの?…ふーん。お見舞い…か。特に知り合いでも無いのに、お見舞いに来るなんて、君は物好きな人ですね。

ふふっ。ごめんなさい。入院生活って、退屈でちょっと、からかいたくなっただけなの。

ねぇ、良ければ…だけど私の話し相手になってくれない?」



4「…やりたいことなんか無い。私は、まだ死ぬ気なんか無いから。」



5「もう、大袈裟(おおげさ)だなぁ。そんなに心配することなんかないのに。でも、ありがとう。君がそうやって毎日顔を見せてくれるから、私も捨てたものじゃないなって思えるよ。」



6「…大丈夫。大切なものなんて無い方が良いのかもしれない。

ほら、大切なものなんかあったら、それを残して死ぬのが何か怖くなるかは。

…モノにもイキモノにも寿命がある。

それは当たり前の事なんだ。

ねぇ、私さ。あとどれくらい生きていられるかなぁ?

あはは、ごめんね?変なこと言って。大丈夫だよ。きっと」



7「私ね、余命0ヶ月なんだ。…もっと言うと、0日0時間0秒なんだ。

…ちょうど半年前、余命は半年ですってお医者さんに言われたの。でもね?183日経ったんだけど、私まだ此処(ここ)にいるの。入院して、自由を奪われてるけど、生きてる。

この通り、ぜーんぜん元気なの。

…なんでだろうね?

もう多分死んじゃった方が良いんだ。お母さんは私の治療費のせいで仕事づけ。私自身…生きてるけど楽しくない…ね?もう、早く死んじゃえばいいのになぁ。」




8「私ね、余命0ヶ月なんだ。…もっと言うと、0日0時間0秒なんだ。

…ちょうど半年前、余命は半年ですってお医者さんに言われたの。でもね?183日経ったんだけど、私まだ此処(ここ)にいるの。入院して、自由を奪われてるけど、生きてる。

この通り、ぜーんぜん元気なの。

…なんでだろうね?

きっと、神さまが間違えちゃってるんだろうなぁ。

寿命はきてるのに…ちっとも迎えに来てくれない。…なんでだろ。」



9「何々。そんな怖い顔して。ああ、ごめんね?急に入院しちゃったから。

(抱き締められる)…どうしたの?

死んだかと思った?ふふ、おかしな人。

でも、ありがとね。うれしいよ。

…数日前までただのクラスメートだった君が、こうやって私を意識してくれてるんだって思うと。」



10「きれいな言葉を紡ぐのは簡単だから。そんな事は望まない。…ただ側にいて欲しい。それだけでいい。私の手を握っていて。今はそれだけで満足だから」



11「…あはは。なんで?なんで死にたいって言っちゃだめ?

…苦しいんだよ…もどかしいんだよ…外に出たくても、どんなに望んでも…叶わないんだもん…。

君が妬ましい。自由に外を歩く君が妬ましい。 

私は鳥カゴの中の鳥。

もう…いつか死ぬんだから、早く死んで自由になりたいって、そう思う事くらい許してよ。」



----✂︎----2018年----✂︎----



12「…私、後どれくらいもつと思う?…お医者さんの話だと、あと半年だって。…あはは。そんな難しい顔しなでよ。

そこでね?死ぬまでにやりたいことリストを作ってみたの。

ほら、よく言うでしょ?

死まで間もなくなったら、やり残した事のリストを作って、やり遂げようって。

…でも、私やっぱり無理みたい。

お医者さんにこのリスト見せたら、何考えてるんだーって。

君は外室厳禁。絶対安静だー。だってさ。

…あーあ。人生…損しちゃったなぁ。」



13「何でもないよ。何でもない。

…そう。そうやって皆笑っていれば良い。

…この世には絶対に、不幸な人が存在する。それが、僕であれば、他の皆は幸せになれれば、それで良いんだ。

陰の存在なんて、どうでもいい。そう、それでいいんだ。」



14「私…死にたいなんて思ってないよ?ボディステッチ…?…辞めない。私は、死ぬためにしてるわけじゃない…。自分の価値を証明するためにするの。…普通じゃない?それ…誰が決めたの?」



15「あぁ…苦しい。苦しい。…こんなに苦しいなら、いっそ死んでしまえば良いのに。…死ぬ?死ぬ…。そうか、私は死ぬために苦しんでるんだ。

人生に抗うために死ぬんだ。

でも、そう。辛い想い、苦しい想いをするくらいなら、死んでしまえば良いんだ。

あぁ、……なんてつまらない人生だろう。」




16「大丈夫…か。僕もそう思ってた。

…でもね。僕の身体はもうボロボロなんだ。もう、元通りになる事なんか無い。

だけど、もういいんだよ。……そんな顔しないで?

…僕にはね、双子の兄さん(姉さん)がいたんだ。母さんのお腹の中にいるとき、僕の左手と兄さんの右手は同化していた。…というより、僕に無かった左手を、僕は兄さんから奪ったんだ。

そのせいで、血流障害になった兄さんは産まれた突如(とつじょ)、産声(うぶごえ)を上げることも無く死んだ。

…息をしていた僕は、生かされたけど、それでも奇形(きけい)な僕は望まれていなかった。

…大丈夫。僕は十分生きたから。死ぬ事なんか怖くない。…あの世に行ったら、兄さんに謝らなきゃな。………殺してしまってごめんなさい。」



17「"朝起きたら死のう"そう思った僕は、目覚ましにギロチンをセットした。

目覚ましが鳴るのと同時に、僕はこの世から消える。

SNSに、明日起きたら死にます。とピースサインと一緒にコメントを投稿すると、"大丈夫?"だとか"死んじゃだめ"だとか…いつもの心配してますメッセージがとどく。

……なんとも無難な世の中だ。

…そう。無難とはこの時代皆が愛する言葉だ。

だからこそ…無難を生きる事の出来ない僕は、明日起きたら死ぬのだから。」



18余命数日のお墓参り「おーい。聞こえるか?そっちで、ちゃんと元気にしてますか?…私も、もーすぐそっちに行くからさ。また会えるの、楽しみにしてる。

……アンタがそっちに行ったとき…まさか、私もこんな死に方するなんて思わなかった。

でも、私はさ、アンタと違ってこっちに後悔もなにも無い。

あとはそっちに行くだけさ。

…これから、よろしくな!」



19「…怖い。恐い。コワい…。女子高生…車…群衆…政治家…。ミサイル…戦争…ネット…公園…。怖い恐いコワいこわい!!……そうか。…いっそ…この時間を止めてしまえば、僕は此処から抜け出せる??」


20「何で来たの?もう二度と来るなって言ったのに。

…馬鹿みてぇ。五月蝿(うるさ)いんだよ。眩(まぶ)しいんだよ。

アンタは良いよな。まだまだ生きていることが出来るんだから。

でもな、その明るさが…人を傷つけてる事にいい加減気づいたらどうだ。

…もう帰れよ。もう二度と来ないでくれ。迷惑だ。」



21病名は"恋"だった「狂っている。…そんな事は、とうの昔から分かっていた。…けど、今はただただ相手に甘え、相手を求め、執着(しゅうちゃく)し、縋(すが)る事しか出来ないから……。

お互いにお互いを…今も消したがっている。…だって、そうしたらもう、他人なんか見れないでしょ?

……言うなれば…そう。それは恋の病。お互いに求めているからこその暴力。けれどそれが心地いい。

病名は"恋"だった。その病(やまい)は決して治る事はない。」



22「笑い声…それは僕にとっては恐怖なのです。

何もかも、人の言動は全て自分への悪口なのでは無いかと思えてしまう。

家族には、いつも僕は変だからと言われる。

僕の心は硝子の様に透けていて、それは人々に見られていると感じる。、被害妄想…なのでしょうか?

もしそうなら、僕はどうしたら良いんですか?僕の居場所は無いんですか。

教えて下さい!どうかお願いします。」



23「忘れたい訳じゃないのよぉ…。

忘れたい訳じゃないんだけど…。何でも忘れちゃうの…。

まわりでお世話をしてくれる人がね、毎日毎日泣くんですよ。

あぁ、本当にね、見ていると悲しいんですけどね……ところで、貴方はどなたでしたかね?」



24お婆さんの忘れ物「…ああ、今日は何を忘れるのか。誰の顔を…名前を…声を忘れるのか。

"忘れ物"というモノは…心にまるで穴がぽっかりと空いてしまった様で…何だか寂しくなるんだよ。

私の家は私に忘れられたモノ達ばかりです。

だから、私には此処がどこかが分かりません。

ただ周りの人達がね、"此処は貴方の家だよ"と言うモノだから、だから此処が私の家なのです。

…寂しいモノですね。忘れるという事は。」



25「この世の中では、割りとそこらの病気は何でも"薬"というよく分からないモノで治るという。

…そんなにその"薬"が便利なモノなら、僕にその薬を出してくれ。

そして、僕のこの病気を治してくれ。

…はぁ、分かってる。

…無いんだよ。

この病気を治す事の出来る薬なんか。

所詮、そうなんだ。人の創ったモノなんかに万能なんてモノは無い。

だが、だからこそ儚い夢を見れるからこそ心地いい……。

…嗚呼。あと半日。それでこの世とはお別れだ。……さよなら。

…さよなら。僕が愛した…無力な世界よ。」



----✂︎----2019年----✂︎----



26「パパとママがね、この子を捨ててきなさいって言うの。

うちでは飼えない。手に負えないってネ。

だから私は、この子を守る為にパパもママも殺した。

だけどその何が悪いの??

私の大切な家族をね、捨ててきなさいって言うんだもん。あれぐらい当然の報いだよ。」



27「うるさい!!
お願いだ…撮らせていてくれ。
僕はもう…何も忘れたく無いんだよ。
何も失いたくないんだよ…。
記憶を失って…何もかも失うなんて、そんなのはもう、耐えきれないんだ。
自分が何者で、友達や家族がいて…それは誰で……。
……あぁ…」


28「健康な貴方には分からないだろうけど、もう治らないってなったらね?
結構気楽なモンなのよ。
辛い治療なんて無理にしなくたって良い。
ただ待てば良いんだからさ。
だから、別に自分を不幸だとか思ってないの。
寧ろ幸せかなー。将来の不安とかそういうの何も考えなくて良いからさ。
ま、私に将来なんて無いんだけどね。
勘違いしないで?
私、もう死を受け入れてるし。
残った人生、好きに生きようって決めてるから。」


29偽り「私は此所に、いなくてはなりません。
先生が、私は酷い病気なのだとおっしゃっていました。
移ってはいけませんから、貴方もどうか私から離れて、安全な場所に行って下さい。
私は、もう先生に救われています。もう助け等、必要ありませんから。
どうか、ご心配なさらず。
神様に、貴方の幸福を心よりお祈りしております。
さようなら。愛しき人。」

-----✂︎----2020----✂︎-----

✄------------2021------------✄

30「ああ、良かった。

もう一度だけ、僕は君と…この雪景色を見たかったんだ。

寒いはずなのに、寒さなんて少しも感じない。

僕は幸福だ。もう、思い残すことは無い。

僕に次の季節が来ることは無い。

本当はこれからも先の季節を君とみたいという望みはあったけど、そんな贅沢(ぜいたく)を言っていてはいけないね。

〇〇。最期(さいご)まで一緒にいてくれてありがとう。僕は生涯、君を愛しているよ。」



31「僕は笑えないんだ。

だって仕方ないだろう?笑おうとしても僕の表情筋はこわばって…表情をつくろうとしないんだから。

楽しいなら笑おう。

辛いなら泣いたっていいんだよ

そんな言葉は聞き飽きた。

そんな言葉をかけるなら、僕に感情を求めないで。

僕に感情なんて、存在しないんだから。」



32「もう、壊れちゃいそうだよ。

心も身体ももうボロボロだ…。

息苦しいし、もう食べる元気も無い。

いっそのこと死んでしまいたい…早く死んでこの苦しみから解放されたいんだよ。

けど、もう少し、もう少しだけ…僕は死ねない。

約束したからね。最後は必ず看取(みと)ってくれると。」



33「苦しい…僕、苦しいんだ…。

もう治らないのに、こんなに苦しいのに…。いつまでこんな思いをしなくちゃいけないの?

点滴も、薬も、酸素も要らない。

僕はもう死にたい。」



34「点滴も、薬もずっと続けてきた。

血管がボロボロになっては刺(さ)し変え、また刺し変え…。

身体が少しずつ朽(く)ちていくのを感じた。

もう僕は助からない。もう数年生きることすら叶わない。そんなことはもうとっくに分かっていた。

だから、大丈夫。

僕は悲しくなんかないからさ。

ねぇ、僕の死を悔やまないで?

これが僕の寿命だったのだと受け止めて?

そしたら僕も、きっと平気だからさ。」



35盲目「〇〇?馬鹿だなぁ。

今さら僕の目のこと…気にしてるの?

僕が盲目なのは、〇〇のせいなんかじゃないよ。

僕が好きで選んだ道だ。

だから〇〇が気にすることじゃない。

そんなことより〇〇は、僕の側にいて、僕の目に映らない世界をたくさん教えてくれたら、それで良いんだ」



36「煩(うるさ)いなぁ。

一体なんで、君は僕に構うんだい?

僕はもうすぐ死ぬんだよ。

死ぬ人間にいくら尽くしたところで、無駄だと思うけどね。

……はぁ、”少しでも役にたちたい”ねぇ…。

もう、する手立てなんてものも無いのに。」


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