鬼台詞


49個


1.「どうして。どうして、ここまで来た?お前と私では生きる世界が違う。決して交わる事のない。交わってはならない存在。

..なぜ?なぜ、だと?..私は鬼。お前は人間。なぜと言わずとも分かる事であろう。共にいてはならん。

私は、お前を打たねばならぬ存在。

だから..逃げろ。私はお前を殺したくはないのだ。

頼む...逃げてくれ!!

くそ...なぜだ。なぜ逃げぬ...!

あああああ!!!...そこまで、そこまで私に関わりたいか。

ならば死ねぇえええ!!!

...くそ...くそくそくそ。

切りたくは..無かった...だから逃げろと言ったのだ...本当は..お前を切り捨てたくは無かった...どうか、どうかまた出逢う時には、供に歩める存在でありたい。」台詞T



2.「ねぇ?鬼さん。あなたは、人間と鬼は共存できないと言うけれど、私はそうじゃないって思うの。だってだって!私、あなたのこと大好きだもの。

ねぇ?鬼さん。私たち、ずっと一緒に...。

鬼さん?どうして、刀を私に向けているの...?

そう...そうよね。私を生かしていると、あなたの立場が危ういですものね。

...大好き。大好きですよ。鬼さん。あなたのことを。...さぁ、どうぞ殺してください。」台詞T



3.「ねぇねぇ!鬼さん鬼さん!えへへっ。うるさいとか言っても離れないもんね~。

怖くないかって?どうして?

だって、鬼さん可愛いもの。」台詞T



4「おい。人間。なんで泣いてんだ?..俺が死んじまうからだって?何言ってんだ?...あんなぁ、お前は立派な人間の子なんだ。

俺が居なくちゃあ生きていけねぇ人間なんかにゃなるんじゃねぇよ。

俺なんぞ..鬼なんぞ自分の手で殺せる人間になれ。」



5「世界の果てまでお前と逃げれるなら、私はきっとそうしていただろう。

だが、それは不可能であり、下手をすればお前を殺すことになる...ワシは、世界の果てで孤独になるのは嫌だ。

さぁ...海を渡れ。お前はここにいるべきでは無い。..同時に、ワシは、海の向こうの世界にいるべき生き物ではない。

...ここでサヨナラだ。人間よ..」


6「なぁ?私と共にいて、幸せか?嬉しいか..?そうか。..私もお前と共に生きた3日間は、本当に幸せだったよ...。...でも、もう....。ごめんよ..。ごめんよ...。」


7「僕だって人間でいたかった...君を愛することが許される人間に。どうして私はこんな生物に産まれたんだ!!...こんな僕はもう要らないんだ!...神よ..ああ神よ!!僕を殺してくれ!!そしてどうか..次は人間に産んでくれ...!」



8「我らの世界で、人とは、鬼を狩る殺し屋だ。鬼は、人に殺されてきた。だから…うちに、殺される前に殺せという鬼が現れるようになった。

…ここも危険になる。」



9「嫌よ。…私はあなたといたい。だから側にいるの…!他の鬼が何をしたってあなたは良い鬼だもの!!」



10「ヌハハハ!人間よ、面白い事を言うのう?

ワシに、一族を裏切れと申すのか。

ワシは、時期に鬼族の長となる男だぞ。そのワシに、一族を裏切れとは、おぬしは変わった奴じゃの。」




11「ハハハ!やっと封印が解かれたか。数億年ぶりの世界…随分と変わり果てたものだ。私を封印したあの騎士も、もうこの世には居ないのであろうか。」



12「なぁ。人間よ。

共に目指してはみないか?

人と鬼の共存できる世を…。」



13「ああ…来てくれたのかい。悪いね。人間と和解しようと試みたのだが…どうやら無理だった様だ。

人間よ。…私は、死ぬのか?」



14「お前は此処にいるべきではない。…お前が私と此処にいたいと言ってくれるのは私は本当に、嬉しい。嬉しいのだが。
お前を危険に晒したくはない。頼む!頼むから早く逃げろ。…どうか、無事に生き延びてくれ…。」


----✂︎----2018年----✂︎----



15「ワシは、もうじき鬼族の長となるのだ。
そのワシが、人間を信じ…守る事など、許されぬ事なのだ。
…頼む。理解してくれ。
そして、もう此処には来ないでくれ。互(たが)いのためだ。
…さらばだ。心美しき人の子よ。」


16鬼の子「ああ…そうだよ!僕は人じゃない!鬼だ!!

だけど…だけどそれのどこが悪いっていうのさ?

僕だって…鬼だって生きてるんだぞ。ただ、人と仲良くなりたいだけなんだよ…!

ねぇ…待ってよ!ねぇ!!

………待ってよ…お友達になってよ…。」



17鬼の子「僕は人じゃないから…仕方ないんだよね。みんなが僕を怖がるのは当たり前…僕が人じゃないから…あーあ。こんな角…折れてしまえばいいのにな。」



18「ガハハハ!ワシらも舐められたモノよのぉ。ワシら鬼族が…貴様ら人間に意図(いと)も容易(たやす)く敗北するわけが無かろう!

さぁ行くぞ!この金棒(かなぼう)に一寸(いっすん)の狂いもなし!

人間…!敗れたり!」



19「っ…ああ…人間よ…早くトドメを刺すのだ。…なぁに。鬼であるワシが御主に破れる事など…遥か昔より伝えられし、この血の運命(さだめ)よ。案ずるでない。

……ああ…人の子として鬼を殺る事の何処が恥か!!

殺るのだ!人として…その刀を握ったのであれば、その手には使命が有ろうぞ。

使命を果たせ!人間よ!!っああああ!!…クッ…っはははは!!それで良い。それで良いのだ。

ワシの屍(しかばね)など、踏んで越えるが良い…人の子よ…御主は今…本当の意味で人となったのだ。………ああ…神よ…我が愛しの息子に…幸運を。」(人の子を拾って育ててきた鬼。ある日その子を人の住む村へ返す日が訪れる。人の子は、鬼を討伐しなければならなかった。)



20「我は鬼だ。人間と馴れ親しむ事など出来ぬ。

いかに貴様が鬼と人間が共有する世界を望もうとも、鬼はおろか、人間共さえ望む事は無いと言えよう。

貴様は、人の摂理乱してまで鬼との共有を求める訳では無かろう。

いずれ戦(いくさ)は始まる。

行くのだ。この島に貴様の居場所など無い。ここに残れば貴様を煮て喰らおうぞ。

…逃げろ。そして二度と戻ってくるな。」



21「私の姿を見たのであろう。

…そうだ。私は鬼だ。

ゾッとしたか。私のこの身体や角を見て、おぞましいと感じたか。

フッ…そうであろうな。

………っ…黙れ!!こうなるのであれば、最初からお前の眼を潰しておくのであった。

いいか。お前は私と永遠にこの地で眠るのだ。それが定め(さだめ)だ!!

此処から出る事など許さん。

お前がどんなに抗おうと、無力にすぎない。お前は家へ帰る事など出来やしないし、私の手の中で一生、永遠に踊り続けるのだ。

それより他の道などない!」



22「フム、夢…夢か。悪くないやもしれないな。

それでは、私はお前と共に生きる夢を描こう。

…人間よ。これは私の我が儘(わがまま)にあたるのかもしれない。だが、私はどうしても、お前と生きたいのだ。

長らく生(せい)を燃やしてきたが、このように想い、そして鬼として生(せい)を受けた自(みずか)らを呪った事は無い。

…なぁ。私の…夢とやらは、叶うと思うか?」



23「オラてめぇら!!!触れるな!!ふざけたマネもいい加減にしねぇと…ただじゃおかねぇぞ。

……すみませんねお嬢さん。奴らにも悪気は無いんですが、…ん?ああ、これですか?ただの角(つの)ですよ。

角が珍しいですか。フフフ…鬼にとって、角は強さの象徴ですから。

さあ、鬼の族長に用事があるんでしょう。俺がお供しましょう。一人ではなにかと危険ですから。」



24小鬼「ワシはただの鬼じゃ!美しくなど無い!!

…お前は人間なのだろ!何故ワシを恐れぬ!このっこのぉっ!!

…くぅ………。おのれ、覚えておれ!ワシをただの娘(ガキ)だと思って甘く見ておると、この角の怒りをかう事となろうぞ!!

っああ!まて!まて!こんな所にワシを置いて行くでない!!」



25「待て!人間共よ。我が此処に手にするは、人類の希望を運ぶ赤子(あかご)成り!

鬼と人との戦火の続く今、この手でこの赤子を捻(ひね)り潰してみせよう!!アハハハハ!!

ッグフ…ぐぁあ!!…クソッ!!クソッ!!これが、我ら鬼の末路か!!

………泣くな。泣くな我が子よ。お前は人だ。鬼の里にいるよりも、人間達と暮らした方が、きっと…きっと幸せになれよう。

辛い事もあるやもしれん。

だが、忘れるでないぞ。

お前には母(父)がいることを。お前を愛するモノがいる事を。

あぁ…。愛している。例えお前を側に置いておけないとしても…

いつまでも…愛している。いつまでもな。我が…息子よ。」



26「そこの子よ…何故そこで踞(うずくま)っている?

ん?フム…主、鬼の血を引いておるのだな。

……主、顔を上げてごらん。

人の里で暮らす事に拘らぬと言うのなら、ワシと共にくると良い。

鬼の里で、お前を嫌う者はいないし、角を隠す必要は無い。

角は鬼の誇り。だから、堂々とその角を晒していられる。

…まぁ、無理にとは言わん。気が向いたらいつでもおいで。」



27「この世は腐っていると思わないか?

……ただ鬼だという事だけで世界は我等を悪とし、そして捌く。

時としては兵士を送り込み、我等の集落を攻撃する。

鬼を狩り、角を奪い…そして金で取引する。

…人は鬼を悪とするが、我等からしてみれば、罪なき鬼を攻撃する人の方が悪なのだ。

…かくして我が愛する息子も、その攻撃の餌食(えじき)となった。

人よ。この声が聞こえているのなら聞いてくれ。我等とて生物である。心も涙もある。

罪も無い鬼を傷つけ、捌く事…それこそが誠の悪であると、どうか気づいて欲しい。

……そして、これ以上悲しむ人も鬼も作らぬよう…互いに傷つけるのは辞めにしたい。」



28「"誰かに求められたい"…私とて、一度は思ったことがある。

しかしな、しかし…我等は生き残った鬼族。

人に恐れられ、憎まれる。それが今の世の常というモノなのだ。

良いか?鬼助(きすけ)。

覚えておくのだ。これからお前が此処を巣立ち、外の世界を生きる内には、数多(あまた)の苦難、そして理不尽に向き合う事となろう。

だが、そういう時には母の事を思い出すのだ。

いつもお前を愛している。この母の事をな。」



29「私が、愚かだったよ。

人と笑い合う事が出来る…共に暮らす事が出来るなどと…

叶うはずも無い夢を見ていた私が愚かだったのだ。

…黙れ!村人達は私を受け入れてはくれなかった。

女(おんな)子供(こども)は身を隠し、男共は槍(やり)や猟銃(りょうじゅう)を持ち出した…!!

既(すで)に、私は悟(さと)ったのだ。

私の角(つの)や牙(きば)が、人にとって、どれ程恐ろしいモノであるか。

…もういい。もういいんだ。

もう…私に叶わぬ夢を見せるのは、辞めてくれ。」



30「私…人間なんて嫌いだから。

人間は、私たち鬼を好き勝手に殺していく。

その犠牲に、私の息子もなったのよ。

息子は私の名を呼ばなかった。

母が巻き込まれまいと、自分の命を擲(なげう)ってまで私を守ったの。

立派な息子だった。…だが、故に息子を…守ってやりたかった。」



----✂︎----2019年----✂︎----



31「オメェら。よーワリー事しよるなぁ。

おーおー。鬼じゃ鬼じゃと騒ぎおってからに。

そうじゃ。ワシは鬼紅山(きこうざん)より下った赤鬼○○なり。

ワシは鬼じゃけぇのぉ。

人間らぁの仕来(しき)たりやら慣(なら)わしやら…そういうのは、よう知らん。

じゃがの…ちっこいの1人を寄って集(たか)って大勢でやるっちゅうんが間違ってるってことは分かる。

なぁ、何でじゃ?何でそんな事ばするんじゃ。

同じ人間同士。仲良くすればええだけじゃねぇか。

おっと……野蛮なマネはするモンじゃあねぇぞ?

俺は怒ると…ものすげぇ恐いんじゃ!!!」



32「同族を思いやるという面においては、我等鬼族が人間の下を取る事は無いと思っていたが…。

人間よ、名を何と申す?

○○か。…いや。人間は鬼だ鬼だと我等を恐れるが…我等とて生物。心が無いという訳では無い。

己の命を惜しまず、同族の亡骸(なきがら)を返してくれと願い出たその心を讃(たた)え、願いを受け入れるとしよう。

……人間よ、その心 忘れるでないぞ。」



33「止めろ!!もう止めないか!!

何のために…我らは角を隠して生きてきたんだ。

争わぬ為ではないのか…!!

かつて昔、ヒトは我らを。我らはヒトをと、戦が始まった。

あの戦で、我らは学んだ筈だ!!

ヒトを殺すという事に 意味は無い。終わりの無い戦に、何故血を流さなくてはならない??

鬼の誇り??それは、争わずして勝利するということ…つまりは、住み家さえあればそれで良い。

幸せな明日は平和の先にある。

その教えこそ、我らが誇り……。

いくな…行くな!!!行っても死ぬだけだ!

無駄に命を、落とすんじゃない…!!チッ…聞こえぬか……聞こえぬかぁあ!!!」



34幼女な鬼の小学生「ふーん。貴様は、この私に小学校とやらに通えというのか。……フムフム。なるほどな。

…ではまず聞こう。何故 鬼であるこのワシが、人間等の規則に従わなくてはならぬ?

フム…なるほどな。貴様は私と共に暮らしたいが為、私に人間と同じ振る舞いをしろと…そう言いたいのだな??

んん…しかし、また貴様は…ワシにイヤらしい服を着せるのう?

裾が少しばかり…短くはないか??

……ま、ワシは貴様と共に命を尽くすと決めた身。

コレが貴様の望みなのであれば、コレはコレでアリ という事なのだろう。

……勘違いするな??私は…べつに貴様に尽くすと言っている訳ではないからな…!」



35「羨ましい…か。

いや、能力を持つ…という事も時には疲れてしまうモノですよ。

私は鬼で、人間と比べるとそれは怪奇的な事を成し得ますが…。

それでも時折り…この様な能力など全て捨て、人間の様に生きてみたいと思うものです。

この力のせいで、失うモノも少なくはないですからね。………

なのでほら。能力等無い生物は、それはそれで良い所だってあるということです。

現に私は、貴方のことがとても羨ましい。」



36血「僕は怖いんだよ…僕は皆と…人間と仲良くしたいのに…

僕の身体を巡る血が…鬼の血がそうはさせてくれない…。

疼くんだよ…此処が…ああ…あああ!!

殺したい…殺したい…ああ、僕から早く逃げてよ!!」



37「人は…此処まで落ちぶれてしまったのか。 

己(おの)が恐怖を覚えたからといって、女 子供問わず生け贄に捧げるとは…。

私は心底ガッカリしている。

安心すると良い。お主をとって喰おうとは思わない。

私の側で生き、そして絶えるが良い。

お主が死に行くその時まで、私がお主を幸せでいさせてやる。

なぁに、鬼の遊戯事だとでも思っていてくれ。」



-----✂︎----2020----✂︎-----



38逆襲「…だっておかしいじゃないか!!

私は…ついさっき、笑うコヤツを見たんだ。

それなのに何故…!!

誰がこんな惨(むご)い事が出来ようか!!

……鬼…狩り?

何だ…それは。

鬼を殺し……角(つの)を奪う…?

それが、こんな事を…?

赦(ゆる)せない…赦せるものか。

どの様な理由があろうと…罪無き者の命を奪う事が赦されて良いはずがない。

私達鬼の一族も…二度と同じ過(あやま)ちを繰り返さぬ様に 掟(おきて)を作ったのではないか??

戦(いくさ)は待てど仕掛けるべからず。

食(しょく)すモノへの敬意を忘れるべからず。

罪無き者の命は奪うべからず…。

私達はそれを守ってきた。

何があろうと…誰かを傷つける道を選ばぬ様、いつでも心に咎(とが)めていた。

だがその意志も心も もう要らぬ。

先に刃(やいば)を抜いたのはヒトの方だ。

我らが牙(きば)を隠す必要等もう無い。

皆(みな)、戦おうぞ。

我等鬼の住み良い世界とする為に。」



39異種愛「確かに俺は鬼だ。

貴様と種族も違えば生き方も違う。

村の人間共の中には俺達の仲をよく思わない輩(やから)とているだろう。俺がいつ 人間共に危害を加えぬとも分からんからな。

全て承知の上。全て承知の上で…俺は貴様を愛すると決めた。

生涯愛し、どの様な試練や苦難、困難でさえも貴様と共に乗り越えてみせるとな。

地獄へ堕ちる時も共に行こう。

天へ昇る時も同じだ。

俺は、貴様が心から望まない限り 決して貴様を手放したりはしない。

この命の尽きるその時まで永遠(とわ)の愛を貴様に誓おう。」



40「しかし…貴様には呆れた。

我は鬼だぞ。人間などと馴れ合いを持つ訳が無いだろう?

ああ。騙したとも。

良いか?我は鬼だ。

鬼には仁義も人情も無い。

利用出来るモノは利用させて貰うし、それが人であろうが 他の動物であろうが 鬼であろうが そんなことは関係無い。

信じる等と簡単に他の種族を信用するのは平和ボケをしている人間だけだ。

人に飼われる犬猫ですら、今日の我が身の安全を信じてはいないのだ。

愚か愚か。人間よ。そうやって泣いて喚(わめ)いて居られるのも今のうち。

これから本当の地獄を見る事となる。覚悟しておくと良い。」



41「あっはは(笑)なかなか、面白い事を言うのう?

うちがバケモノ??

酷いなぁ。仮にも女子(おなご)じゃのに。

何でうちがバケモノ呼ばわりされるのか。気になるけど まあええわ。

大方ヒトを採って食らうから。とでも言うんじゃろう。

じゃけどのう?うちら鬼にとっては、ヒトにとっての鳥や魚に同じく、ヒトもまた食す事の敵(かな)う動物じゃけぇの。

主らヒトにだけはバケモノなんぞとは呼ばれとうないわ。

ヒトのように自ら育てた動物を採って食らう様な生物でないだけ、うちら鬼のほうがなんぼか まともな道を生きてるつもりなんじゃけどのう?」



✄------------2021------------✄


42「おい。行くぞ。
…後ろを振り向くな。貴様はもう、私のモノなのだから。
…フン、生贄(いけにえ)のくせして故郷を惜(お)しむとは、貴様は余程(よほど)変わり者なのだな。
まぁ良い。見たくばしっかりと目に焼き付けておくのだな。
もう二度と拝(おが)まぬ景色だ。
なぁに、安心すると良い。
必ず、貴様は幸福を得る。
この私が、それを保証しよう。
この世を忘れ、我等鬼の世界にその身を委(ゆだ)ねるのだ。
……━━━さ、ついて来い。此処が世の分かれ目。世界の裂け目だ。」


43望まぬ戦「ええい黙れ!!!
ヒトの子である貴様に何が解(わか)る?
化け物呼ばわりされてきたワシら鬼が、如何(いか)に苦しみ、如何に怒(いか)ってきたか。
生きる為に獲物を探(さぐ)りにいけば撃たれ、女 子供が散歩に出ようものならヒトの罠(わな)に足を捕(と)られてきた。
…数百年に続くワレら鬼の苦しみを、貴様は何とする?
…ワレらがヒトに何をした?
…分け目も振らずに襲ったか?虐殺(ぎゃくさつ)でもしたか?
………否(いな)。
相容(あいい)れる事など叶わん。
ヒトもそれを望んではいない。
ならば果てるか、生きるか…そこまで戦う他あるまい…。」


44「いひっ(笑)
なぁに見てんの~?
この角(つの)が気になる?
坊主、頭がいいのぅ。
そう。ワシは鬼の里で生まれ育った雌鬼(めおに)の○○(自分の名前)。
この深紅の瞳と角が何よりの証拠。
ところが坊主、主(ぬし)はワシを怖がらないのだな?
大方のヒトはワシを見れば慌てて逃げていくというのに。
ん?ああ。遊戯(ゆうぎ)か。
ワシも調度暇をしておった所じゃ。
共に行こう。いい場所があるのじゃ。」


45「おや、ちゃんと約束通り、来てくれはったんやな。

えんらい遅いから、やはり身を引いたのかと思うとったわ。

……?どないした?浮かへん顔やな。

…ああ、愛しておる。

うちはお主を、生涯愛しておる。

……ぬし、此処へは、うちを殺しにきたのか?

手が震えておる。

大方、致し方が無いことなのだろう。

鬼とヒト。その異色の想いは他(た)よりの理解は得られんだろうからな。

…ぬしが決断したのであれば抗(あらが)うまい。

共に死に、そして必ず、来世では永遠に結ばれよう。」



46「人間。何をそう死に急ぐ必要があるんだ?

俺は焔(ほむら)。墓地に迷う魂をあの世まで案内してやるのが俺の仕事。

したら今日は、まだ生体のある女の子ときたからビックリよ。

誰かから俺の存在を聞いてきたのかぁ?

だがな、俺は生きてる魂は運ばねぇ。

俺が手を出すのは、死んで魂の行き場を見失っている奴らだけだ。

おっと、だからって死に急ぐようなマネはよせよ?

俺は自殺は嫌いなんだ。

まぁ、まずは話してみるといい。

時間はあるんだ。ゆっくりお前の話を聞いてやる。

……なるほどな。…言っとくが生物は人間だけじゃないからな。

犬猫も鳥も、虫も。俺等みてぇな鬼だってそう。世の中、生物なんて山ほどいるんだ。人間として生きてくのがしんどいからって、死にたいとか…そういうの止めとけ?

人間やめてぇならやめてもいい。

だがそれでも生きてくんだよ。必死こいてな。」



47迷子を見つけた鬼「オイ。そこのチビ。何をしている?

ホレ、ビービー泣いとっても解(わか)らん。訳を話してみんかい。

…はぁ、仕方ない。ホレ、背に乗れ。

ワシが美味い飯でも食わしたる。

しかしヒトの子の口に合うかは分からんが。

そこらの雑草食うよりか、なんぼかマシじゃろう。

ワシは一角(いっかく)赤鬼(あかおに)の〇〇。よろしくな、チビ。」



48ヒトの子を連れて帰ってこられた鬼の家「はぁ、?なんだってヒトの子なんぞ連れてきたんや。

シカや熊ならまだしも、ヒトって…しかも生きたヒトやなんて。

お前は…馬鹿にもほどがあるぞ。

え?しばらくうちで面倒見るだぁ!?

お前は馬鹿か!!!」



49「なーんで止(と)めたんだよ!!

人間なんかに喧嘩売られて、悔しくねぇのか!!

売られた喧嘩は買うのが筋(すじ)ってもんだろうがよ。

鬼たる資質??あー…分かった分かった。チッまたその話かよ。

とにかく俺は、俺ら鬼よりも力も知恵もねぇたかが人間が、俺らを馬鹿にしたような口叩いてやがんのがどーしても気に食わねぇんだ。

資質だの、なんだの難しい言葉並べやがってよ。

テメェは平気なのかよ?あぁ?」


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