戦闘・戦士


100個


201「いくら明日を追い求めたって…どんなに生きたいと望んだって…届かない未来はあるんだよ。

……希望を持つ事はかまわない。

だが、そうやって俺達を巻き込まないでくれ…。

この命の尽きるその時を今か今かと待ち望んでいるんだ。この地獄から逃れるためならこの命…惜しくも無い。」



202「たとえ運命が負けと言おうが、俺は勝ってやるよ。

だってよぉ、納得できねぇ運命は、越えるもんだろーが!!」



203「ここにきみが存在したこと、私は忘れないでいてあげる。

…だから、ちゃんと戻ってきなさい。

ちゃんと…またその湿気た面を、また私に見せなさいよ!!」



204「可愛いだなんて言わないでください。

可愛いさなんて、単なる幻です。

私は戦士ですから。

あまり舐めて貰っても困ります。

…さ、早く傷跡を見せて。

手当てしなきゃ。」



205挑発「うっせぇよ。

俺は厄介者だからなぁー。

てめぇに殺されようが里の奴らには

関係ねぇんだよ。

おら、どうした。早く殺って

みろよ。」



206「私を今まで生かしてくれたのは、紛れもなく君だから。

だから今度は、君を生かすために私が命を燃やすんだ。」



207「ああ…ああ…あああ!!!

よくも…よくも!!よくもよくもよくもよくも!!

アアアアアアアアアアア!!!

黙れ…!兄貴は…僕の…唯一のヒーロー…勇者だったんだ!!

それを…!それをぉお!!

てめぇら……許さねぇ…。許せねぇ!!!!

殺す!!殺す!!殺す!!

…………くっあああ!!

…なんで…なんで……なんでなんで…。僕はいつも…いつもこうなんだ…?

なぁ、兄貴…教えてくれよ…。

貴方を失った僕は…一体…何を信じれば良い…?どうやって生きていけばいい…?

兄貴…応えてくれ…応えてくれよ…。兄貴ィイ!!」



208「このまま、多分俺は沈んでいくのだろう。

…此処は何処だ?此処は…海…?あの光は…あの、青い光は…地球…?

……そうか。俺は戦っていたんだ。地球を守るために…化けモンみてぇに強ぇ奴らをブっ飛ばしに…銀河を越えて……。

っ……何やってんだ…俺は…。

こんなところで、やられてる場合じゃ…ねぇだろ…!!

動け…動け!!!俺は戦わなきゃなんねぇんだよ!!」



209指揮官「アンドリュー…!!私は、お前に失望した。

我が国の軍の中でも、軍を抜いて剣の腕の良いお前が、敵軍兵士の首をも落とせぬとは、どういう事だ!!

…言い訳は聞きたくない。

私は、敵軍兵士の首を持ち帰れと命令したのだ。

指揮官の命令に従えない兵士など要らん。

…今すぐにこの場を立ち去れ!!」



210「テメェの様な奴らに渡す命なんかはねぇ。

ただテメェにくれてやるのは、この握った拳だけ。

ほら…準備はいいか?歯を食いしばれッ!!」



211「おい。テメェら…俺の弟分を…舐め腐ってんじゃねぇ!!

コイツは、蕾だ。後々にはそりゃー綺麗な花を咲かせる。天下を取る男だ。

コイツはテメェらなんかには負けねぇ。

コイツが己を忘れねぇ限り、負けなんて有り得ねぇんだよ!

なぁ、○○(例:アル)!!聞いてるかよ。

俺はお前を信じてる。俺は知ってるんだ。俺の信じたお前がこんなところでくたばる男じゃねぇってことをな。

だから、震えても良い。足がすくんでも、腰を抜かしても良い。

お前はお前らしく勝てば良いんだ。」



212「馬鹿!アンタ、何してんの!?

アンタが守りたいのは、あの子でしょうが!!

早くしないと、また居なくなっちゃうんでしょ!!

ほら、モタモタしてないで行きなさい!

ここは私達がくい止めておくから!大丈夫。私達だって、弱くは無いのよ!!」



----✂︎----2019年----✂︎----



213「コイツはテメェらにはやらねぇよ。

わりぃがコイツは俺の相棒なんだ。

俺の相棒は俺の命にかけても

守る。

それが俺の生きざまだからな。」



214「オッサン!!なぁ…オッサン…!!

オイ…またいつもの冗談なんだろ?

冗談だって言ってくれよっ……。

いつも…俺のこと馬鹿にしてウザイくらいに笑ってたじゃねぇか……。

またいつもみたいにさぁ…冗談に決まってんだろってさ…!

俺のこと馬鹿にしてみろよ…。

なぁ…俺が生きていればとか…そんな事はどうでもいい。

オッサン…あんたが生きて帰らねぇと…この戦は負けなんだ…!

ほら、目を開けて!息をしろ!

頼むから…なぁ…オッサン!!」



215「オイ。"死にたい"なんて馬鹿な言葉は滅多な事で言うもんじゃねぇ。

俺はなぁ…能力者だからなんて理由でお前を買った訳じゃねぇ。

お前が死にたくねぇって…テメェに はっついてるその口で!生きたいって言ったから買ったんだ!!

テメェが自分で生きてぇって言ったならなぁ!死ぬその瞬間までその言葉を曲げるんじゃねぇ!

他人に何言われたか知らねぇが、脅されて変えれる言葉なら最初から言わねぇ方が良いってもんだぜ。」



216「なんで…テメェは熱くなれねぇんだ…。

言っただろ。戦に冷静さはいらねぇ。

必要なのは、熱く燃える心。

闘志。

お前の冷静さなど…俺の熱で溶かしてやる。

何もかも…此処で全てが終わる。

生き残れるのはどちらか一方。

お前に俺を殺せるか!!!!」



217「意を決しただと…?くだらん戯(ざ)れ言だ…。お前にとって、意志とは何か…決心とは何か!今一度考えるが良い。

お前は何故戦う?

何故戦場に立つ?

己の命を賭けてでも守りたい何かがあると…皆(みな)同じような事をぬかす。

…教えてやろう。己の命あっての勝利。死して尚他人を守る事が出来れば良いなどと抜かす弱者など、戦場に立つ資格は皆無に等しい。

……勝利とは戦士が無事の帰還…覚えておけ。弱き者よ」



218「裏切られただぁ?

テメェは馬鹿か。裏切りなんて当たり前。勝った負けたの世界では騙された方に罪がある。

一秒先の己の命も危ないこの場で裏切られただぁ吠える負け犬なんざ助けてやる価値すらねぇ。

なぁ。アンタ…よく此処に来ようと思ったな?

此処は弱肉強食の戦場。

テメェのような甘ったれた奴は腹の置き所を決めた狩人(かりゅうど)に狩られるのみ。

せいぜい良い肉になってくれよな。出来れば俺の邪魔にならない様に。」



219「いつだって信じてきたさ。いつだって…僕達はこの国を信じてきた。

だが、そんな僕達を裏切ったのは国だ!

皆…今こそ我等は立ち上がるべきではないのか。

今こそ!この国の民の為に国と戦うべきではないのか!!

皆、手を。我等、この国に遣える騎士として!闇に堕ちたこの国を救うべく!国を攻撃する!これは裏切りではない!

国を救う手立てなのだ!!」



220「お前は何の為に戦う?

…よく、私の師匠が言っていた言葉だ。

戦士たるもの、自身が何故戦っているのかを把握するという事は、自我の統一を行うに際し重要な事柄であると言える。

……上手くは言えないが、意味の無い争いをするために私達戦士は戦士となった訳では無い。

なにか目的や理由があって、戦場に立っている。

私は、私の誇りの為…そして師の仇(かたき)の為に戦う。

だから、私の中の戦闘には、いつしか終わりの時がくる。

お前は何故戦場に立ち、戦う?その戦闘に終わりはあるのか?

……終わりが自我の死というのは、あまりにも惨(むご)く、そして悲しい事だぞ。」



221「あり得ない…あり得ない…あり得ない!

アイツが死ぬなんて、そんな事はあり得ない!!

ねぇ、皆…なんでそんな事言うのさ?皆言ってたじゃん…!

アイツは絶対生きて帰ってくるって言ってたじゃん…。

なのにさ…たった数分…たった数分約束の時間に間に合わなかっただけで…もう、置いていこうなんて…なんでそんな事言えるんだよ…!!

僕は一人でも助けにいく…お前らみたいな臆病者とは違うんだ!!

……やだ…嫌だ!!僕は、僕だけは…!!最後まで信じるんだ!!一緒に戦うんだ…!!

だって…こんなの…こんなのあんまりじゃないかっ……。」


222「何故…。此処に来た。

私の死を悔やむ義理等、お前には無いだろう。

クッ…アア……。来るな。それ以上この私に近づくな!!

…貴様にだけは我の死に顔等…見せたくは無い…。

長きに渡り…国を燃やしてきた戦(いくさ)も、これで終わる。

お前の言う平和とやらが、この国に蔓延(まんえん)する事となる日も遠くは無いだろう。

これでこの国の戦力すら地の底に落ちようとも、もはや誰1人文句等言うまい。

……いや。私はこれで良いと思っている。

この目で、この国の滅びる様を見るのは死ぬことよりも辛い。

何よりも…誰よりもこの国を愛した…剣士として…この国を守り続けていきたかったが…。

その願いも負けてしまっては叶うまい。

さぁ…もういい。私の話はここまでだ。勝者に語る事はもうやめよう。この世はお前のモノだ。

……………。

ただ…これだけは覚えていろ。暮れた世はもう二度と、明ける事は無い。もう二度とな。」



223「私は、この国に惚れて仕えてきました。今更何が怖くて裏切れましょう?

私は戦います。貴女と共に。

そして守ります。貴女の命を。

無事に勝利出来たあかつきには…ずっと心に秘めていた事を貴女に伝えるとしましょう…。

今はただこの国と貴女を一心に守るだけです。」



224「ハァハァ…ッヘヘ…。っうるせぇなー。見た目は賢そうな顔して、少しは黙れねぇのか?

俺はテメェみたいに自分の価値観ベラベラベラベラ語る様な奴は嫌いなんだよ。

なんで笑っていれるかだぁ?

アホか。ピンチだからこそ…キツイからこそ笑うんだ。

いくら状況が悪かったとしても、下向いて息つめてちゃあ駄目なんだよ。

しっかり上向いて、目ぇ見開いて、息を吸うんだ。

笑うことを無駄とは言わせねぇ。

笑うって事は!!最も簡単な成功法だってことを!!テメェに叩き込んでやるよ!!」



225「貴方に何が分かるんです?

分かるはずもありませんよね。

努力する事すら許されない辛さなんて…。

明らかに自分の方が強いのに…。

父は私に流儀(りゅうぎ)を語ってはくれなかった。

強すぎるが故に戦う術(すべ)を教えて貰えない…哀れな私の気持ちなんて…所詮貴方達凡人には分からないのです…。

だから私は学んだんです。

教えて貰えないのなら盗めば良い。

……最後に教えてさしあげましょう。

月影(つきかげ)さんも阿吽(あうん)さんも…見て学んだあの人達の技(わざ)で殺しました。

だから貴方も…そうしてさしあげます。成守流(なるかみりゅう)8の構え…雛菊(ひなぎく)。

…………………ありがとうございます。これでまた私の戦う術が増えました。」



226「あら??遅かったわね。

私が7つの鍵を集めているうちに…3つしか集めきれていないだなんて。

…○○(例:紅芽"こうが")?駄目じゃない?拳武流(けんぶりゅう)の名を看板に闘っているくせに…こんなにもゆったりと構えていては…我が流派の名も堕ちたというもの。

………何故此処にいるのか??

ん…そうね。少し、退屈になってしまったのよ。

貴方が旅立って…1人山菜を収穫したりして生活を切り盛りしていく毎日…。

なんだかつまらないでしょう?

さてさて、○○。貴方の目的はコレでしょう??

かかってきなさい。

私は所詮闘いの訓練など一切受けていない病弱者……。

貴方に殺れない相手ではないでしょう?ふふふ…。」



227「…黙れ…黙れ黙れ黙れ!!

何処の誰であろうと…師匠を侮辱する事だけは…許さない。

師匠は…身寄りの無かった私に…村で除け者にされた私に…居場所をくれた唯一の人……。 

私が生まれて初めて…この人の側でなら笑っても良いんだと思えた人…。

その人を殺しただけじゃない……私の目の前で師匠を侮辱した!!!………絶対に許さない。

…私を泣き虫だと見くびらないで下さい。

私は、師匠の跡を継ぐ者…。

真源流2代目当主…○○だ!!

師匠の仇(かたき)…今、はらさん!!!」



228「なぁ、この戦…勝てると思うか??

っはは…勝てる確率は0.1%……そりゃそうか。国は火の海…こっから巻き返す…なーんてそう簡単には出来っこねぇよな。

……だが、安心したぜ。0%じゃあねぇんだな。

あ??馬鹿かって?ああ。馬鹿だぜ。

0.1%も勝機があんなら戦うには十分なんだよ。

勝つ可能性があんなら、戦う前に負けちゃあいられねぇ。

この命、散ることになったとしても…白旗あげるよりはマシってもんだぜ。」



229戦場「救いの手なんて、ある訳が無いんだよ。

今までだってずっとそうだった。助けてやるって言った人だって誰1人本当に僕たちを救いに来た人は居なかった。

それなのに今更今回だけは助けがちゃんと来るって?

そんな都合の良い事なんか無い。今までだって今回だって…これからだってずっと!僕たちを救えるのは、助けれるのは僕たち自身でしか無いんだよ!

………悔しいけど…これが現実なんだよ。」



230「ハァハァ…ッハハ…。なぁーお嬢ちゃん…。そんな湿気た面すんなって。

俺なんてただの傭兵。アンタを守る為にじゃねぇ。俺自身の利益の為に戦ってきた。

所詮使えるだけ使われて壊れたら捨てられるだけの身なんだ。

俺の代わりなんかいくらだっている。かのご立派な国王は、すぐにでも新しい護衛をつけてくれるさ。…だからそんな泣きそうな顔すんな…。生きて城に帰るんだ。」



231「ん…?オイ!何不安そーな顔してんだ?

安心しろ!お前の背中1つくらい、私が守ってやる。

だからお前は安心して前だけ見て進むんだ!

私はお前が選んだ相棒だぞ??自信もて!」



232やるべきこと。「俺には家族がいる。護るべきモノがある。

だけど…そんな俺でも、戦わなければならない時がある。

今の生活を蔑(ないがし)ろにする訳じゃあ無い。

ほんの少しだけ、出掛けてくるだけだ。ほら、いつもみたいに。早朝仕事に出て、そして夜になって帰ってくるだけ。

解って欲しい。必ず帰ってくるとは言えない。だが…。帰ってくる。信じて欲しい。」



233炎の戦士アクアムズ「ッハハ!なぁーに湿気た面してんだよぉ?

此処で終わりか?そんな訳がない。続くんだよ。まだ戦いは始まったばかりじゃないか?

なぁーワールドバード…目を背けるな。ちゃんと俺の背中を見てるんだ。そして誓え。俺の死ぬ意味を無くさないと。

俺は……それだけで満足だ。

お前は世界を飛ぶ鳥ワールドバード!!その名は嘘でも幻想でも無い!!お前は飛べる。なぁ、そうだろう??

ワールドバード!!!世界を…俺の護りたかった未来を…家族を頼む…!!!

俺は炎の戦士アクアムズ!火なんだか水なんだかよく分からん性分だったが…我が人生に一寸の悔いもなし!!あるのは自信と…誇りだけだ。」



234「お前は、お前だけは救ってみせる。

あの日も…ちゃあんと…そう言ったろ??

俺は死なねぇよ。少なくとも、お前がヨボヨボのシワだらけの顔で永遠の眠りにつくのを見届けるその時まではな。

安心しろ。死ぬときは寿命で。ちゃーんと死なせてやる。

それまでは絶対…死ぬんじゃねぇ。」



235サイボーグ少女「あまり なめないでくれるかしら?貴方が戦っているのは人間では無ければ可愛い女子高生なんかでも無い。サイボーグなのよ。

あら、いきなり反撃をお見舞いしてしまって御免なさいね。

だけど、あまりにも貴方が容赦無く攻撃してくるものだから、もう悲鳴をあげてあげる気も失せてしまったの。

貴方は言ったわね。女は敵にならないと。

でも、本当にそうかしら。

例えば私は一応女型のサイボーグなのだけど…。今私に無様な格好を見せて…助けてと命乞いをしている貴方は、本当に私を敵と見なしていないのかしら?」



236革命軍「ッヒヒ。なんだよーそんな顔してさぁ?

お前はいっっつもそうだよなぁー。

死んだ仲間を見るたんびに号泣かましやがってよー?

いいかー?何度も言うが、俺らは苦しむ民の未来を切り開く革命軍だ。

誰かが死ぬのなんか、よくある事だ。

イチイチそーやって泣いてたら精神持たねぇぞ?

ヒヒヒ…馬鹿野郎。俺はお前より3つも年くってんだぞ?先に死んだ所で、寿命だ寿命。

俺にはもう、この世に悔いも未練もございません。

お前がまーだ死人に涙流す様な 泣き虫だって事を除いてはな。」



237「はぁぁ…良かったー。

あまりにも戻って来ないから、どっかで殺られたのかと思った。

全く…終わったなら早く帰って来いよな?

いくら俺だって、心配くらいはするんだからなあ!

ん??泣いてねーよ!汗だ汗!」



238「0だ。勝つ為には、0しか無い。

全てを失(な)くす覚悟で戦うんだ。

全てを失くしても、生き続ける覚悟を持つんだ。

必ず、勝機は見えてくる。

お前が0をモノにすればな。

ッハハ…心配するな。最初から失(な)くなる気なんかは誰もねぇよ。

お前とまた、笑ってこの太陽拝める日を…俺ぁ待ってるぜ?」



239「…ああ、私の事は良い。

そこの彼を助けてやってくれ。

あまりにも手強い敵だったのでな。気を失ってしまった様だ。

…ああ、私は自分の足で戻る…。

……はぁ…気付かれ無かった様で良かった。

目には見えない剣(つるぎ)とは…洒落た事をしてくれるッ…。

はぁ、すまないな○○…私はどうやら此処で終わりらしい。

明らかに敵(カナ)わない敵に、勇敢(ゆうかん)に立ち向かう…良い後輩を持てたんだ。大切にしてやってくれ。

私は、お前という良き後輩を持てて、とても幸せだった。

次はあの世で、また会うとしよう。ゆっくりで良い。また同じ世で存在し得る時に、また会おう。」



240「何故絶望しない…!!何故抗い続ける…!

お前も予知夢を視れるのなら、私と同じ未来を見た筈だ!

貴様らに勝ち等無い。貴様らに生きる未来は無い!!

私は斬る…お前がそちらにいる限りな!!

まだ解らんか!!未来は言った!!お前を殺すのは私なのだ!!」



241「屈する気は元より無い!!

殺すなら殺せ!!この首、晒したければ晒すが良い!

私は誇り高きアスランの騎士!

国の為にならば喜んでこの命など捨ててやる!

ッククアハハハハ!!聖地アスランに!!栄光あれ!!」



242「ふっ。ほざくな。

アンタ等がどんなに俺等を縛っても、また俺等は立ち上がる。

俺等は雑草だからなっ!綺麗なモンじゃあないが、絶対にくたばらねぇ。

何年 何十年 何百年…いいや。時代を越えて拷問されようが、この熱は冷めねぇんだよ。

どうだ!!アンタ等に俺等を縛りきれるのか!!」



243「うっせぇ!!

お前はタダの女か!違う!!お前は軍の要(かなめ)だ!!

恋心にうつつを抜かすな。

任務遂行の為だけに尽力しろ!!

お前をタダの女にしてしまう男など、棄ててしまえ。

国を棄てる気か?危険に晒されている国民を見棄てるのかと聞いている!!

泣くな。国を護ると決意したのなら、その為だけに己を捧げるのだ。」



244狐の一族「ウチは一族の生き残りやからなぁ。狐の一族の思いを後世へ引き継ぐまでは、こんな所で死ぬ訳にはいかんのよ。

せやから、お兄さん?

アンタに恨みは無いけど、本気で行かさせてもらうわ。覚悟しいや!!」



245狐の一族「っ……くそ…ぐぞぉ!!!

なんで、なんでや!!

なんで、ウチがこんな思いせなアカンの?

散々、修行してきたんや…父上の背中を 一生懸命に追ってきたんや!!

せやのに…せやのに何で!!一族の皆を殺した敵方になんか、何で…こうも簡単に負けなアカンのや!!

ウチはなぁ!!狐の一族の誇りを…もう一度世間に知らしめたかった…!!

もう一度…ホンマの意味で笑える日がくるって、本気でそう思ってた…!

アンタら全員ぶっ潰して…そうしたら、天国の皆に ちゃあんと顔向けするんやって…!!

………負けなんて選択は!!、ウチには出来んかったんよ!!

こんなところで…死ぬ…なんて、こんな屈辱的な事があるかぁあ!!」



246「お前は手ェ出すな。

お前は…殺しなんかする必要無い。

俺の手は、もう血で染まってる。手を汚すのは俺だけで良い。

………おい。コイツは逃げたんじゃねぇ。テメェみてぇなクズ殺すのは、俺で十分だ。

俺はどっかの誰かさんと違って、情けなんかは かけねぇ。

テメェのやった事の重みを…噛みしめながら死ね。」



247「苦しくない…と言ったら嘘になるケド……。

だけどよぉ…俺にはまだ…仲間がいるからよぉ…。

こんな所で、弱音吐いてなんか、いられねぇんだわ。

ワリィけど俺…諦めは悪くてさ。なかなか死なねぇんだわ。

俺はまだ戦うぜ?かかってこいよ。俺はまだ、負けてねぇ!!!」



248「俺も…もう随分と年を取った。

だが…この老いぼれにも、出来る事がある。

若き冒険者達よ…お前達は、己の旅路を歩め。

お前達の前に立ちはだかる壁の1つを、俺が此処で崩してやる。

俺の旅路は、此処で終止符をうつんだ。

泣くな!!!若人(わこうど)よ!俺は…お前達の為に死ねる事を…誇りに思うぞ。」



249老いぼれの願い「ッハハ…お前には、恥ずかしい姿を見せてしまったな。

ワシも老いた…。やはり新芽の活発さには叶わん…。

ああ、…だが。願わくば息の根を止めて去って欲しかったモノだ…。

傷が痛む…。なぁ……お前さん、ワシを眠らせちゃあくれないか?

もう十分生きた…戦士として やるべき事は果たした。

もうゆっくりと…眠りたい。

ハハ…"戦士として恥ずかしく無いのか"か。

相変わらず手厳しい奴だ。

言っただろう。

もうワシは老いたのだ。

もういい加減…生かされるのにも飽きた………………。」



250弟「アイツは俺の弟なんだ。

手はかかるし、馬鹿だし。

助ける価値があんのかって言われれば…無いのかもしれねぇけど。

でもやっぱり…俺、見捨てれねぇや。

例えこの身が滅ぶ結果になったとしても…アイツを迎えにいかなきゃって、俺の魂がそう俺に語る。

死にたくねぇ奴はここに残っても良い。

俺は弟を、迎えに行く。」



251希望があると吠えて死に行く戦士「あるいは明日、目覚めたら何かが変わっているかもしれない。

絶望の中に立たされている時には、そんな事を考えながら 毎日眠るんだ。

絶望ばかりが 世界に満ちている訳ではない。どこかに…そう この世界の何処かには希望が存在する。

そう 誰よりも自分が信じているんだ。己が存在するこの世界も、棄(す)てたもんじゃないって事をね。

だからよ、希望ってやつは…なかなか捨てきれるもんじゃねぇってことだ。

どんなに絶望的な状況でも…死ぬかもしれねぇって時でも、ずっとな!」



-----✂︎----2020----✂︎-----



252彼岸花"また会う日を楽しみに"「…?面倒くさいなぁ。

兵士コードを出せェ??

この俺にそんな面倒くせぇ事を言ってくるとは…此処は随分 良い国らしい。

ただ御生憎(おあいにく)…そんなモノは持ち合わせていなくてなァ。

強いて言うなら名は彼岸花(ひがんばな)とでも名乗っておく事にしよう。

これは俺に戦う術(すべ)を説(と)いてくれた人がつけてくれた名でな…。

まぁそんな事はどうでも良いか。どーせタダじゃあ此処、通して貰えねぇんだろ?

だったら俺は、俺の今 持ち合わせている方法で 此処を通るしかねぇからよ。

だから、死んでくれ。

此処を俺が通りたいんだ。

…あまり俺に無駄な時間さかせねぇでくれや。

(門番を斬り落とす)

……あー。ちなみに…彼岸花の花言葉って知ってるか??"また会う日を楽しみに"…ま、俺と目を合わした奴が 俺にまた会う日なんて

そんなモンは こねぇんだけどな。」



253「いつまでもいつまでも!!過去の事ばっかり見てんじゃねぇよ!!

いい加減…今の世界を見てくれ…。

今、お前の力が必要なんだよ、何でそれが分からない!!

俺だって…俺だって、過去の失敗も、失ってきたモノや人も!痛い…心(ここ)が痛ぇよ!!

でも…失ったモノ数える事よりも、俺は今…俺の側にあるモノを守りたい。」



254「私では、ご不満ですか?

一応…私も魔王軍 四天王が一人なのですが…。

まぁ、良い事にしませんカ?

私は、貴方のお力をじっくりと見させていただきました。

私は…私一人でも軽く捻れる程度かと判断していましたが…貴方自身がそこまで自信有りと言われるのであれば、一度私とお手合わせしていただきたいですネ。

それで私に勝てたら、ちゃーんともっと強い者をお出ししますので。

……でも、良いですか??

あんまり舐めてると…殺しますよ?」



255「神は誰かって?それは俺だ。

神は最強。最強は俺。つまり、俺は神なんだよ。

分かるか?

俺に勝てる奴がいるなら出て来い。まぁいねぇと思うがなぁ!

ッハハハハハ!!

俺を越えられる奴はいねぇ。

どいつもコイツも雑魚ばかり。

テメェらじゃあこの俺は殺せねぇ。これは決まりきった事なんだよ」



256散りゆく命と生き抜く命「もういい加減にして!!

私も、貴方も!!彼を助けたいのは一緒なの!!

でも、もう無理なのよ。

もう尽きる命に、手をかけれるほど…薬を分け与えられるほど!!

私達に余裕は無いの!

身内だからって、情けなんてかけられない。他の助かる見込みのある人達に、手も、薬も時間も!かけなければならないの。

理想通りになるだなんて思わないで。

闇から抜けられるだなんて思わないで!!

ここは地獄。地獄のドン底なの!!

その事を…よぉく覚えておいて。」



257「何が可笑しい?

俺は、俺の傍で笑っていてくれるヒトを守りたいだけだ。

この命、元々アイツに拾って貰った様なもんだからな。

アイツの為になら捨てたとしても悔いはねぇ。

だからよぉ…バケモノ野郎。

村を狙う前に、この俺をやるこったな。

生憎、死んでも此処を退くつもりはねぇもんでな。

素通りって訳には…いかねぇぜ?」



258「だぁ?聞こえねぇなぁ。

死が何だって?

あー。べつに。死なんて怖かねぇよ。

死なんてモンよりも、俺は戦おうとすらせずただ間抜けに死んでいく方が怖い。

だってよぉ。

俺は戦士なんだぜ。

戦士が己の死恐れて何が出来る?

戦場ってのはなぁ。死ににいく場所だ。己の死をもって、何かを遺す為の場所だ。

だから俺は…俺の死をもって お前をおとす。」



259死ぬ間際の遺言「聞こえねぇ…聞こえねぇよ。

俺にはもう、お前の声すら聞こえねぇ。

良いじゃねぇか。どちらかは必ず生き残り、どちらかは必ず死ぬんだ。

だったら生き残りがお前だろうが、誰も文句は言わないさ。

恨むなら俺を恨め?

何も出来なかった。こうなるまで何一つとして。

俺が…この老いぼれが…。

お前にしてやれる事は…たった1つ。

若き戦士であるお前を…生き残らせるって…たったそれだけ。

なぁ、レイ。俺の声がお前に届いているかは分からんが…聞いておけ。

俺の人生…決して良い人生と誇れるモノでは無かった。 

他人の血を浴び、屍を踏み越え、時には仲間だろうが切り捨ててきた。

格好悪い人生だったと俺自身そう思うが…

俺はお前という、かけがえの無い遺産を遺(のこ)せて…満足がいった。

ハハハ…畜生が。

腹が痛んでろくに笑えやしねぇ。

良いか。必ず…必ずだ。

生きて基地まで戻れ。

これが最後の俺からの命令だ。」



260「俺は此処に残る。

お前達は本部に戻り、援軍するんだ。

あぁ?主君(しゅくん)の命令が聞けねぇってのかよ?

なぁーに心配すんな。

お前らが向こうにつくぐらいの時間は 俺が必ず稼ぐ。

全く…本当に信用がねぇんだなぁ俺は。

俺は死ぬ気はねぇ。1人でも相手の首を取るつもりだ。

俺がここまで言ってんだぜ?

少しは信用しろってんだよ間抜け。

ああ。行け。俺の思い入れあるこの城…絶対に おとさせやしねぇぜ!!」



261「……はは、最期の言葉?そうだな……。 じゃあ少しだけ…。

神とやらが、本当に存在すんなら…もしそうなら、俺の声を聞いてくれ。

元々…こんなのは負け戦だった。

5千と3万…兵力の差はハッキリしていた。

でも、それでも…俺の部下共は、俺の戦うという一言で死にに行くも同然のこの戦に参戦してくれた。

怖い者は残って良いと…俺のそんなビビった言葉をも笑い飛ばして"1人でも欠ければ俺達ではない"と誰一人欠けずについてきてくれた。

そんな俺の戦友共を…ほんのちょっとでも良い。

ほんのちょっとでも多く…ほんのちょっとでも長く…生かしてやってくれ…!!」



262「最悪の戦況…ああ。確かにそうかもしれないな。

仲間は残り100にも満たない。周囲は敵だらけ。皆、己の身を守るのだけで精一杯。

援軍の期待は出来ない。

だけどよぉ相棒。俺等は戦士だぜ?

床(とこ)の上で永眠するよりか、戦場で戦い抜いた格好悪い野郎だって方が…性(しょう)にあってるってもんだろ?

戦おうぜ?最期まで。

まだ負けてもねぇのに怖気(おじけ)づいてちゃ、この名が廃(すた)るってもんだぜ。」



263「あっはは!勝てると思ったか??

兵士30000人倒したってたったそれだけの理由でぇ?

浅はかだねぇ。

そんな甘い考え方してっからぁ、たった一人の残兵(ざんぺい)にこうも無惨に殺られる羽目になんだよ。

戦場で勝ちを誇るのは、敵兵を全滅させてから。良い事学べたなぁ?

ま、此処で死ぬ奴が何を学ぼうが意味がねぇか。

そんじゃあな。」



264「裏切りは何も生まないって?

っはは。果たしてそうかなぁ?

僕はずっと訴えてきたよ。この組織はおかしい。

皆、ただただ従っているだけじゃあ駄目だって。けど誰1人僕の声に耳を傾ける奴はいなかった。

皆、組織の命令を単純にクリアしていくだけのただの人形にでもなったのか?

違うだろ。

ちゃんと自分の頭で考えて、おかしい事はおかしいと言わなきゃ!!

お前もそうだ。全部全部言いなり。

そんなんじゃ誰も救われない。

そんな事も分からなくなったのか!!

僕は救いたかったんだ。

皆にはこんなことしてほしくなかったから。

こんな糞みたいな組織があるから皆が狂うなら、こんな組織…僕が潰してやる。」



265「まって、まって…まって!!

僕はまだ戦える!!こんなの大した怪我じゃない。

お願いだから見捨てないで…!!

ねぇ、待って…待ってよぉ……。

はぁ…はぁ、はぁ。煩(うるさ)い。

"見捨てられた"んじゃない。僕は敵兵を制圧するために此処に残されただけなんだ。

っ…僕1人だってやってのけるさ。

ああ、あああああ!!!」



266「何故誓いを破った!!

私は言ったはずだ。今後一切互いの住地(じゅうち)は犯さんと。

それを誓いとして均衡(きんこう)を保とうと…!

簡単な事だったはずだ。

平和は保たれ、互いにこの地の上で生活ができる。

互いにそれだけを求めたはずだ。

それを独占だ支配だと愚かな考えを持ち、こちらの住地へ攻めいってきた。

償え。償い、軍を引いてくれ。

頼む。」



267「あれれぇ?ふんふん。

へぇ~~僕、嫌いじゃ無いよぉ?

そういうパワータイプっていうの??

ズカズカ突っ込んでくる!みたいな?

たださぁ。突っ込んで良い所と、悪い所くらい、ちゃーんと考えてから突っ込んで来なきゃ。

そうでしょ??

たとえばほら。力の格差がハッキリしている時…とか。 

無い脳ミソをフル回転させてちゃーんと考えなきゃ。早死にするのは、君だよ?」



268「いつからこんな事になってしまったのかって??

そんなの、貴方が一番理解しているのでは??

戦況というのは、たった一発の攻撃で大きく変わるものです。

例えばこの拳が、例えばその一本の矢が、戦況を変える決め手になるのです。

勝てる筈だった??ふふふ、”勝てる筈”そんなものは存在しない。」



✄------------2021------------✄



269「何を言っている?
まだ負けてはいないだろう。
苦しい戦いだということは重々承知している。
現状、敵陣に圧(お)されている事も。
だが…私は、この仲間達がいたから此処まで朽(く)ちず邁進(まいしん)する事が出来た。
例え此処でこの命が尽きるのだとしても
この道を選んだ事に悔(く)いは無い。
さぁ行こう。我が戦友達!!
例え此処で命を落とそうとも、我が国のために戦うのだ!!」


270「へぇ。君が穂波(ほなみ)くんが寄越してくれた連牙(れんが)くんか。
いいや?別に。期待はしているよ。
果たして僕の期待に応えられるだけの力を持ち合わせてくれているのかは別として。まぁ死にだけはしないでくれとは思っているね。
だって、一応僕の部隊で戦うわけだから。僕の部隊の旗を掲げて戦う以上はそんな死体がゴロゴロ転がっているだなんて光景は非常に不愉快だからね。
……さて。敵部隊がお出ましの様だ。お手並み拝見といこうか?
穂波部隊の新星…結木連牙(ゆいぎれんが)くん。」



271「今からあそこに戻るだって!?
馬鹿言うんじゃねぇ、なんたってそんな無駄死にしに行く様なマネすんだ。
いいか?相手が銃を持った人間ならまだいい。特殊部隊でも、兵士でも構わない。だが、そうじゃない。
相手は血も涙も無い化け物なんだぞ!!
………こちとらガキ一人の命の為に死ねる様な安い命背負っちゃあねぇんだよ!!
……いいか?俺は無駄死にするつもりも、仲良しごっこに付き合うつもりも微塵(みじん)もねぇ。
悪いがお前の流した涙に感動して"それじゃあ助けにいくぞ"なんざ吐けるような立派な人間でも無いんだ。
行くなら一人でいけ。
そして無惨に地面に転がる死体の数を増やしてみせるんだな。」


272「…戦えない訳じゃ無い。それが仲間であろうが敵であろうが無駄な犠牲を生みたくないだけだ。
だが、私達にも守るべきモノがある。何があっても、それだけは死守しなければならない。
戦うと決めたら、最後まで殺る。
手を出した事を、後悔するんじゃないぞ。」


273「ふぁ~あ。(あくび)別に、アンタの為に戦った訳じゃ無いわ。
これ以上、この街を壊されたく無かったの。それだけ。
…なによ?その顔。当然でしょう?わたしの生まれ育った街だもの。
飛び火飛ばされて全員まとめて御陀仏だなんて、冗談じゃないわよ。」


274「お?なんやお前、まだ生きとったんか。
いいや。別に悪かぁねぇよ。
寧(むし)ろ感心しとるぐらいや。
さぁて、3日3晩寝倒したんや。
十分身体も動くことやろうから死ぬ前にもう一戦、戦ってもらおか?」


275「…━━━諦めてなどいないさ。
例え、この身が滅びようとも…必ず、未来に光が射す。
闇が消える事は無いと言ったな?
…確かにそうだ。残念ながら闇が消滅する事は無いだろう。
…だが、それは光りとて同じ事。
未来永劫(みらいえいごう)、光と闇は対(つい)を成し、争い、共存する。
決して滅びず、だが共に永地に辿り着く事は無いだろう。
しかし、そこに笑いや喜びや…幸せがあるのなら、それなら今…私が此処で成した、ちっぽけな出来事も、あるいは意味があった事なのかもしれない。
闇の使徒よ…!此処で共に葬(ほうむ)られよう。そして私は未来に望む!幸福と、栄光を。」


276成した女「決めたのよ。…私は決めたの。
大切な人や、物や、場所の為に…強くなるとね。
最初は誰もが嗤(わら)ったわ。
女に何が成(な)せるか?何が守れるか?とね。
それでも私には成すべきモノがあった。
私の強さは、そこからくるの。
…貴女も。そこまで守りたいもの、成したい事があるのなら、己で成せば良い。
成せば成る。適当では無く、それは確かよ。」


277死して尚切れない絆「来るな…来るなぁ、来るな…あ、ああ。
罠だ。奴らは私を餌に、貴様等をも殺すつもりだ!!
私は死んでもいい…!貴様等は…あっ。あがっ………ああああ!!
ひ、退(ひ)け!!今すぐに撤退(てったい)するんだ、…聞こえないのか!!
……あ、ああ……やめろ、やめろ、やめてくれぇ……!
私の目の前で、これ以上仲間を殺さないでくれぇ……。
……!!っぐ、あああ!!殺せ、殺せ、殺せぇ!!もういっそのこと殺してくれ、何故私を殺さない!?
己の体なんて、そんなものはどうでも良い!!
………私はっ…我が故郷と、仲間と共にありたいっ!……━━━━━」


278塔の中腹部 滅ぶ者「あぁ、お前か。いつぞやか会ったな。
……いや、いい。…来るな。
どうせ、もう間もなく死ぬ身だ。
助けて欲しいとは、これっぽっちも思っていない。
魔女を止めに来たのか?
それならもう遅い。
あの女は、呪われた宝玉(ほうぎょく)の力を覚醒させ、そしてもう取り込まれてしまっているだろう。
故(ゆえ)に我等の戦(いくさ)も終わった。
この終末こそが、すべての結末だったという訳だ。
少しでも長く生きたければ、此処から身を退(ひ)くことだな。
お前はよくやった。
まだ死ぬ必要の無い身を、滅ぼす必要はあるまい。
……お前には、護るべきモノがあるのだから。」


279見棄てる他の無い選択「全員揃(そろ)ったか?……なに?
ガルドフさんが?
まさかっ…!あの炎は、ガルドフさんのモノだっていうのか!!
何故っ…おいルカ!お前、一緒に行動していたんじゃ無いのか!
っ。うるさい離せ!あの軍勢だぞ。一人でどうにか出来る訳が無いだろ!!
危険等承知の上だ!!
(爆発音)あっ……!!!今すぐ、今すぐ援護にいくぞ!何をやっている!!
皆、俺に続けっ……!
続け…続けよ…続けよおおお!!
ああ、…ああああ……ああ…。
あの人は俺の憧れなんだ…必ず追い付き、そして追い越すんだと心に決めたんだ。なのに、なのにこんな所に置いて行けるかよ……?父さん……。何で。」


280「〈……虫の羽音がする。
私は、死んだのか?…臭い。酷い臭いだ。
血と肉と…ヒトの体液やら何やらが入り交じった様な腐敗臭…。〉
…………何だ?コレは。
死体だらけ…?……レイヴン。レイヴン!!
どこだ、どこにいる?
うっ…酷い臭いだ…。
レイヴン、いるなら返事をしてくれ!
私を、一人にするな……。」


281「嗚呼…これが最終決戦か…。
またエグい敵(バグ)を用意してくれたもんだ。
おいマスター。さっさとルールを説明したらどうだ?
俺はとっくに準備済みだ。
………あぁ、分かるよ。
本気で殺しにきてることくらい見りゃ分かる。
一人でどころか全員欠けずに此処に辿り着いていた所で突破には苦労しそうだもんな。
……ただ、俺は決めたんだ。
敵(バグ)を全てクリアして、必ず帰るってさ…」


282「どうしてっ…!どうして今まで貴方が大切に育てあげた皆を、こんなに簡単に殺せるんですか、!!

戦士がそんなに偉いんですか?

強さが無ければ、この世界では生きていてはいけないんですか!!

教官!!答えてください、!

黙っていないで、また僕達に分かりやすく説明をしてください…!

こんなの、こんなのあんまりだ…。」



283パートナー「…〇〇。何を言っているんです?

私は、貴方と共に戦う事が出来て、とても幸せでしたよ?

“貴方が行く背中を、誰にも邪魔させない。”それだけが私の誇りでしたから。

〇〇…私は貴方の、最高のパートナーと、なれましたか?

私の剣は、少しでも…貴方の右手と…なれましたか…?」



284「…相変わらず、お前は甘いな。

もう忘れたのか?私が、目の前の敵は、息の根が止まるその時まで徹底的に攻撃し、制圧しろと教えた事を。

はぁああああ!!!…ふふ、ふはははは!

私に回復の隙(すき)を与えたのが運の尽きだったな。

お前に勝つ術(すべ)を教えてやれなかった自らに悔(く)いるよ。

私はお前のように甘くは無い。

〇〇…これで終わりだ。」



285幸せな死に顔「貴様は馬鹿だ!!…大馬鹿者だ…。

自分の命の限界も分からないのか…!

勝機(しょうき)の無い戦いを何故続ける必要があった…!

何故…生きるための撤退の判断が出来なかった……?

貴様はいつもそうだ…己の身を滅ぼす事になろうと…構わず目の前の敵を攻撃する…。

……何を笑っている?貴様…死ぬ事を悔(く)いろ…。死ぬまで戦って…何故そんな顔が出来るんだ…?」



286「ふふふ、君は相変わらずだな。

すぐに熱くなれるその魂は本当に羨ましいよ。

僕には無い事だからねぇ?

けれど、すぐに感情移入してしまうその感情は不要だな。殺さねばならない時にトドメをさすことを拒(こば)んでしまっては戦士とは呼べまい?

さぁ、君にとって僕は?大の攻撃対象だろう??何を拒む必要がある?さぁ、殺せ…殺せ。殺せ!!!」



287「気にくわないか?

…そんなに気にくわないか!!〇〇を見殺しにした事が!!

私を殺せば気が済むのか?ならば殺せ!

チームを率(ひき)いてゆくのには、犠牲を払わなければならない時もある。

それが正しいか等関係無い。

誰が死ぬとか…生きるとか。そんな事を考えている暇など無い。

私は隊長だ。私はその時に戦うべくして戦い、その時に救えるものを救う。

〇〇の死は、確かに残念だが…払(はら)う他(ほか)仕方がない命だった。ただそれだけだ。

確かに、救えた命かもしれない。

…が、お前は1人の命に、何人の命の犠牲を払う気だ?」



288「あはは…誰が怖くないって?

怖くない訳、無いじゃないか。

…怖いよ。いつ、誰の命が失われるか分からないこの戦場で戦うなんて、何回経験したってなれる訳が無い。

けど、逃げられないんだよ。

戦わなきゃ…平和なんてやってこないんだ。」



289「ぜぇ、はぁ………。

ちょっと待ちなさい、待ちなさいってば!!

私に黙って、勝手に…何をしようとしてんのよ?……

馬鹿、まだ負けてないでしょ。

戦いはこれから。

まだ負けても無いのに白旗あげて降参なんて、あたし絶対に嫌だから。」



290「背中は絶対に護(まも)る。

お前は構わず、前へ突き進め。

私には無理だと思っているのか?

なぁに、今まで数百人を率いて戦ってきたんだ。

一人の人間の背中くらい、私に護らせてくれ。」



291尽きる魔力最後の傷痕「……行かせるかよ。

この先には俺の仲間が向かったんだ。

てめぇは絶対に行かせねぇ。

魔力?フッ。そんなもの必要ねぇ。

必要なのはこの根性と、仲間を思う心だけだ。」



292花になる呪い「はは、はははは。

あぁ。…もう、見ての通り。

敵の術にかけられて身体が言うことをきかねぇ。

死ぬ時を待つだけ。本当にそれだけなんだと、今さら痛感しているんだ。

まあ見てな?数年後には、この枯れた戦場を、俺の花で埋め尽くしてやるからよ…。

本当に、戦争なんかクソくらいだよ。

……一体、いくつの命を奪えば気が済む?

終わりなんて存在するのか?

……どっちが正しいなんてそんな模範解答なんか無いのによ。」



293「だぁ、!とんでもねぇバケモンだなぁありゃ。

あんなの相手にしてたら、命がいくらあったって足りねぇや。

隊長。一体どうすんでぃ?

隊は半壊…。一回引いて戦略を立て直したほうが得策(とくさく)なんじゃあねぇか?

このまま戦うだぁ!?アンタ正気か!もう半分持ってかれてんだぞ!?

ふざけたことぬかしてんじゃねぇ!俺はアンタの戦略ミスじゃねぇのかって言ってんだ。

これは逃げじゃねぇ。戦う為の…勝つための引きだ。」



294「貴様が新人隊員の〇〇だな?

ようこそリデロ隊へ。

綺麗??私がか?…フン。

綺麗な花にはトゲがあるという言葉を聞いたことがあるか?

気を付けろよ?貴様の目に私の外見がどう見えているのかは知らぬが…。

見とれていると…怪我をすることになるぞ。」



295「人間が機械に負けただぁ?

ふざけんな!!

俺達人間にはなぁ、無限に働く心っつう力がある、!!

てめぇら機械がいくら勝ちを確信したところで、俺らの心が折れねぇ限り、永遠にこの戦いは続くんだよぉお!!!」



296「死を恐れていないわけじゃない。

俺は、目の前で仲間が死んでいくのが恐いから、だから一番戦闘をかけぬけるんだ。

もし死ぬ時には、俺が一番に死ねるように。

……仲間の死を、もう二度と見なくて済むように……。」



✄- - - - - - 2022 - - - - - ✄


297「僕は…確かに腰抜けだ。
すぐに戦場から逃げ出してしまう…。
隠れていれば誰かが助けてくれて、立ちすくんでいればいつの間にか戦いは終わってる…。
強い誰かが敵を倒してくれて、ヒーローみたいな誰かがその場を切り抜けさせてくれる。いつもいつもいつもいつも…ずっとそうだった、けど、でも!そんなのはもう嫌なんだ!!!
僕なんかじゃ敵(かな)わない、敵(かな)いっこ無いって分かってるけど、このままじゃ駄目だって、僕の中の何かが”戦うのは今なんだ”って叫んでるんだ!!」


298「何を言ってるんです…?
私達はパートナーです、!!死ぬときも一緒、生きるときも一緒です!!
…そんなことも、忘れてしまったんですか?
私は何があっても忘れません。
あの時、貴方は私を見捨てたりしなかった。
自分が傷つくことを分かっていながら、それでも私を救ってくれた。
誓(ちか)ったでしょ?何があっても私達の行く先は同じだと。」


299「なんでっ。なんで、なんで、なんでさ!?
僕が守れないから、?僕が弱いからいけないの、?
ねぇ教えてよ。神様ぁ…。
あの日、旅立つあの日に貴方は僕に加護をくれたじゃないか…。
傷だらけになっても、どんな状況でも…僕の命を奪うことはしなかったじゃないか…。
でもどうして、貴方は僕を孤独にするんだ…?」


300「はっ。そんなもんかよぉー?
言ったほどでもねぇじゃねぇか!機械兵器どもがよぉ!!!
なっ……。なんだ、これで御仕舞(おしま)いじゃねぇってか?
バラバラのゴミ集めてもう一度動こうってか、??
……そうでなくちゃな。
…わりぃオッサン…俺、まだしばらく時間かかりそーだわ。
このゴミ、そっちに連れてく訳にいかねぇからさ。もうしばらく…もうしばらくで良い。
ガキ連れて、耐えててくれや。
…死ぬ気で、…テメェの大事なもん、守るんだぞ!!!!」