悪役


53個


1「欲しい欲しいと誰もが欲(ほっ)し、恐い恐いと誰もが恐れた力は今…此処にある。

そう、私の手の中だ。さぁ、見よこの力を!!指を一度鳴らせば、それだけで世界の半分は死滅する。

お前達!!破壊の王は今此処に復活した!!

讃(たた)えるのだ。そして我が背中に続け!!

この力は、私の様な支配者が使ってこそ価値がある…。

この力の前では、正義も無力であり、そして悪こそが絶対なのだ。…嗚呼、素晴らしい。神よ!そして我が父よ…。

見るがいい。貴方には成し得なかった傷を、今私が歴史に刻んだのだ。」



2「んー?フフッさっきから君は何を言っているのかな?

コレは僕と契約を交わしたんだ。

もう二度と、僕と離れはしない。一生をかけて僕に奉仕するとね。

とはいえ…君には感謝している。

コレを…今まで生かしておいてくれたのだ。

礼と言ってはなんだが、君には一生を遊んで暮らせるだけの金をやろう。君がどんなに働いたところで手にいれる事の出来ない大金だ。

さぁ、何をしている?

その金を持って、早くこの場を去れ。さもなければ…分かっているね?」



3創造者「嗚呼…やっと見つけた。

私の分身…私の器…。フフフ…。

随分とお前を探した。

世界の創造を行う為には、まずは天変地異に耐えしのぐ器が必要だからなあ。

さぁ、我が分身よ。ご苦労であった。苦しゅう無い。

その器を妾(わらわ)に捧げるのじゃ。

ん…あぁ……ああっ!!素晴らしい。さぁ、我が僮(しもべ)らよ。天変地異は始まる。

新たなる繁栄の世を、我が再び、創造する!!」



4「フン…アンタは随分とこの私の事を待たせてくれるじゃないの…汚らわしい。

…それで?ブツは持ってこれた訳?…ああそう。持ってこれなかったの。残念ねぇ。本当に残念。私…期待していたのに。

何。言い訳? あのね。いつも言っている様だけれど…私は…言い訳みてぇな意味の無い戯言(たわごと)が…一番大嫌いなんだよ!!

…ふぅ。さぁて…使えないスクラップも片付いた事だし…集(たか)る蝿(ハエ)ちゃん達も…始末しなくちゃ…いけないわね。」



5「守りたいモノがある??フン(笑)つまらない。

守りたいモノとか。そういうの…ただのお荷物なのに。

だから貴方達は弱いんだよ。

だからこうやって殺されるんだよ!!

ンハハハハ!!可哀想に。

お前が守るとほざいていたモノも人も!全部全部こうやって壊されていくんだ!!

残念だったねぇ。守るべきだったのにぃ?守れなかったねぇ!!

ンハハハハ!!」



6「…ねぇ?もう…気づいたでしょ?

裏切ったって?冗談じゃないわよ。私は、最初から貴方なんかの味方じゃないわよ。

この際だからさぁ、貴方が信じて信じて信じて信じきってきたこの私が、この手で、貴方を殺してあげようか??」



7「ふーん。良いじゃない。

君は、この吐き気がするくらい綺麗な世界を…煩いくらいの蝉の声を…これからも守っていきたいって訳だ?

じゃあ、止めてみな。

この世界を壊したくて立ち上がった人々を…生物を。君のその手で止めてみてよ(笑)」



8「…気持ち悪い友情ですねぇ。

いやね?助け合いだとか、絆だとか。そういう信じ合い的なの、虫酸が走るんですよぉ。

…どうせ、死に際に立てば裏切り合いが始まるんでしょう?

そんな事、分かりきった事なのにぃ、"信じてる"ってぇ…

ブハハハハハハ!!

本当、バーカなんだからぁ!!

なぁに?僕がぁ…君達の絆とやらに負けるとでもぉ?

ンフフフフ…じゃあやってみてくださいよぉ。

僕を相手に戦ってみろよぉ!!

…君達から絆が消えるその瞬間を…この目で見て嘲笑ってやるからさぁあ!!」



9「アーラ。

そんなに逃げる事無いじゃない?

まだなぁんにもしてないのに。

それともなぁに?

こんなに綺麗なお姉さんの事が

怖いとでも言うつもり?」



8「ふん、綺麗事だな。

綺麗事を並べるのは良いが…兵士達の身体…そして精神はもうボロボロだぞ?

仮にも司令官を名乗るのなら、兵士らのその身と心を、時には案ずるという事も必要なのではないか??

……愚かだな。戦うという邪念に捕らわれ、部下等の姿すら、その目には既にうつらんか。

良かろう。我、闇をこの世の理とせん者。この力を持ってその戦意に捕らわれた哀れな実体を…捻り潰して見せよう。」



9「敗北した三元神(さんげんじん)のメイン原子核より情報…ダウンロード。

ダウンロード完了。確認。

白き戦士…現(あらわ)る。協力な風圧。圧倒的なスピード。

…今後の作戦を伝達する。プランC-4a。赤き戦士の討伐、及び白き戦士の狙い…目的の情報収集。

青き水の星、地球…エリア5の征服へ迎え。」 



10「僕様は、世界の全てが欲しい。

だからぁ!その為に必要な兵器を手に入れるのだ!!

お前らぁ!世界を支配する僕様と一緒に来るのだ。

裏切り者は要らん。

この僕様に忠誠を誓える者のみついてくるのだ。

フフフ…フヒヒヒ!!ついに、来るぞ。

ついに!!闇の時代だ!!」



11「フン…民がなんだというのです?

革命というモノには、犠牲が付き物。

潰すべきものは潰す。

壊すべきものは壊す。

それだけなのですよ。

何も…全部奪おうというのではありません。要らないモノを捨てろと、ただそう言っているだけ。

…そうそう。もちろん貴方達だって次の世には必要の無い存在なのですよ?

貴方達がのさばっている以上、革命は起こり得ないですしねぇ。

んふふ、そんなに怖い顔をしないでくださいよぉ。

私だって、今 手荒くするつもりは、無いんですからぁ!!

すみません…少しばかり、痛かったですねぇ?

ですが、これからもう少し痛くしますから…ほら、歯を食いしばっていてくださいねぇ!!」


12「あらぁ、いらっしゃい。

悪いケド、此処から先へはお通し出来ないの。代わりと言っては難だけど…この私が貴方のお相手を致しますわ。

ウフフ…あら。私じゃ物足りなくって??

安心して?心配しなくても私、強いから。」


13「っふふ。

せいぜい泣いて抗うことね?

そしてほんの少しでも私を信じた

自分を恨みなさい?

それじゃあね?偽善者さん?

次は地獄で会いましょう?」



14「っふふ。可愛いコ。

たった一人お友達が死んだってだけなのに…そんなに泣きわめいてしまうだなんて…。

ふふふ…なんて虐めがいがあるコなのぉ!!

っふふふ!ねぇ、いい加減そんな顔するのを止めなさいよぉ。いっそのこと、お友達みーんな殺してしまいたくなるじゃないの!!」



15刀を交えて学んだ事「残念だったな。お前の敗けだ。

これで、少しは人を疑うということを

覚えたか?

人は、正義ばかりを振りかざしていても

時には馬鹿をみることになる。

今のお前の様にな。

だが、私は楽しかった。

お前と刀を交えた事、後悔はしていない。

時には、人を信じてみるという事も良いのかもしれないな。」



16チンピラ「あぁ。すまんすまん。

なんか正義のヒーローぶってる奴がいたから…ついつい手が出ちまったわ。

あぁ…たまんないねぇ。その顔。

俺になんか文句でも?なぁ、兄ちゃん。

悔しかったら俺とタイマンでも張ってみろや!!」



17「貴方の欲するモノは何ですか?

貴方が真に欲するモノは…。

…人々の生きる未来?

いいえ。貴方が求めているモノは、もっと単純で身近な事。

人類の存続などという大それた事では無く、貴方自身の問題であり、宿命であり、欲望。違いますか?

………図星の様ですね。では、お聞きします。 

貴方が沢山の犠牲を払ってまで守ろうとしているソレは、それだけ価値のあるものなのですか?

…地球。この星に身を隠し、密かに生活していた人類。

やがて、子の代へと世代が移れば…自由が欲しいと外へ出て、自由だ自由だと生活していく内に…たった10年…たった10年でどれほど多くの同種を産み出し、そして他の種の命を奪ってきたか。

その生命力…恐ろしいとは思いませんか?

私達無生命力体は貴方達の様に生命力を振りかざし、繁栄していく種を絶滅させます。

…なぜなら、その生命力は後にこの銀河、そして宇宙さえも破壊してしまう力があるから。

……貴方が守ろうとしているもの…。

それは所詮、私の本性…本来の役割を隠しておく為の人格。

私が動き出した以上、仮の人格に戻る確率は、0に近い。

つまり、無駄という事です。貴方がどんなに足掻(あが)こうと、人類ら絶滅します。

そして、そのミッションさえ果たせば私は別の星のアンチプログラムとして改造され、人格そのものは無へと帰るでしょう。

貴方達人類が生きてきた形など、何一つとして残らない。

これが、破滅と絶望をもたらす、アンチプログラムの果たすべき役目。

最初から、貴方が自由へと進みだした時から、最後の時は決まっていたのです。

貴方は誰も守れない。

人類も、地球も、そして私もね。」



18「あら、随分と積極的なのね??

それじゃあ、教えてあげちゃおうかしら。私の秘密。

フフフッ…どうしてそんな怖い顔をするのよ?

私は何もしないわよ。

ただ…楽しい子がいると…やっぱり虐めたくなってしまうのが…私の悪い癖なのよね?」



----✂︎----2019年----✂︎----



19「最低?最悪?フフフ…貴女にそう言っていただけるとは、僕も光栄ですよ。(笑)

クラン王国の姫君(ひめぎみ)よ。僕はこの国を…いいや?貴女を不幸にする事が出来ればそれで良い。

王妃の死を始めとした偉大なるこの計画から、貴女は決して逃げられない。

何故か?僕は貴女に惚れているその身体…その瞳。唇…全て美しい。

愛している。

それなのに傷つけるのかって?フフフ…君は何も分かっていないな。

好きだからこそ、愛しているからこそ傷つけるのだよ!!」



20「(笑)貴方馬鹿?

この世界、綺麗さだけじゃあ生きていけないのよ。

この世は常に対立が起きている。

現に私と貴方がそうである様にね。

…貴方はいつか、戦わずに…争わずに済む方法があるはずだと言っていたけど、やっぱり無理ね。

私と貴方。どちらが目的に達するか。2つに1つどちらもが達する事なんかできないのよ。

さぁ、剣を抜きなさい!

私と戦うのよ!!!」



21「あらあら…こんなところで会えるだなんて…なんて偶然。

とても光栄です。

しかし、なんでも…私の可愛い部下達を数名殺してくださったとか??

ンフフ…良いんですよ。あの子達が弱すぎた…ただそれだけですから。

私が言いたいのは…そうですね…

そんなお強い貴方と1つ…お手合わせをお願いしたく思いまして…。

安心してください。私は冷静です。部下の一人や二人殺されたくらいで、どうともなりませんから。

……………それでは、行いましょうか。

貴方の正義に、幸福があらん事を。」



22デスゲームの悪役「アハ…アハハハ!!だぁーれが死ぬことは無いだなんて言いましたっけぇ??

アハハ…死にますよ。だってこれは…デスゲームなんですから。

誰1人傷つかないで脱出だなんて…出来る訳が無いんですよ。

なのに、皆で助かろう。脱出しようってぇ?アハハハ!!

仲間意識なんて…今すぐに捨てた方が良いですよぉ?

此処には誰1人仲間なんかいない。味方なんかいない!全員敵なんですからぁあ!!アハハハ!!」



23「はぁ、アンタもか。アンタもなのか。ちょこまか ちょこまか煩い蝿(はえ)どもが…。

僕の計画は絶対に終わらせない。

絶対に邪魔させない。

例え貴様らがどれだけの努力をしようが犠牲を払おうが…僕の計画に傷1つ…つけることは出来ないだろう。何故なら、僕は絶対だから。僕こそが支配者であり…この世界の創造主なのだから!!」



24「んふ♪どうしてそんなにイライラしているの??

アラ。隠さなくたって良いのよ?

顔や態度…体温…空気感…貴方の形相から全て察しがつくわ。

貴方は"敗け"を確信している。

駒を持つ手すら震えて…可愛いわね。

残念だわ。貴方の大切な恋人の命が賭けてあるっていうのに…。

んふふふふ♪そんな目で見ないでよ…もっともっと虐めたくなっちゃうじゃない。

んふふっでも…それは御預け。

チェックメイト…♪

苦しくてもがく貴方の顔…素敵だわ♪」



25自爆~街を道連れに~「…ああ…。ハァ…ハァ…。

ククク…あは、あはははは!!

素敵!!素敵よぉ!あはははは!!

ンフ…フフフ…。ねぇ見て?

これが、貴方が守りたがってた世界よ。

これがぁ!ウレアの街よ!!

ずっと…始まった時から…こうしてやりたかったの。

私自身が死んでしまうとか…そんな事はどうだって良い。

全ては復讐の為。貴方達人類を、この私が葬(ほうむ)ってあげるの!!

ンフフ…まさかこんな日が来るなんて…思ってもみなかったでしょう?

今まで何度…邪魔されてきたことか。

でも、もう終わり。

貴方も、私も…この街も…死ぬのよ。此処で。」



26「なんで?なんでなんでぇ!?

なんで生きてる訳?ちゃーんと息の根止めたハズなのにさぁ?

……ふーん。そう。まぁ良いや。

どっちにしても死んで貰うしか無い訳だし。生きてたなら今此処で殺すだけ。

なんだよ。かかってこいよ。

僕は敵だ。アンタらが知ってる僕なんて、ただの演技に過ぎないんだよ。

ほんと、アンタらが馬鹿で助かった。ありがとね。

……おかげで簡単に騙せたよ。(笑)」



27「あーあ。ヒーローってのは  おめでたいなぁ。

ああやって仲間だ絆だーって笑ってられるなんてさ。

きっと、自分達の中に敵が紛れてるだなんて、夢にも思わないんだろうなぁ~。

(笑)…ま、いずれ時は来る。

その時のアイツらの顔…きっと良い顔をしてくれることだろう。

…楽しみだなぁ…トリックの種明かしがさ。」



28「あーら。見ていたの?

行儀の悪いコね。

まぁ良いわ。あれだけ忠告したんだもの。それでも見てしまったのなら…仕方ない。

大丈夫。一瞬で終わるわ。

貴女が瞬(まばた)きをして、もう一度目を開けた時には、貴女はもう、死んでいる。」



29「やぁやぁ。遅かったねぇヒーローさん。君が遅いから人質の首が飛ぶまであと5分。

その5分の間にこの私を倒せなければ死刑執行される。

……さぁ?早くしなければタイムリミットは迫っている。

かかってこい。お前に選択肢等無いはずだ。」



30「おやおや。貴様の攻めはそれで終わりか?

ンフフ…(笑)貴様は自分の駒を過信しすぎだ。

攻めて攻めて攻めて…。攻撃のために自分の駒を犠牲にする。

それでは私には勝てんよ。

引くべき所は引き、突くべき所は確実に突く。

まぁ…私に挑んだ事が、既に貴様の敗因だったのかもしれんがな。」



31「残念でしたね。

僕には、確かに視力が無い。

だから勝てるとでも思ったんでしょう?

僕には、貴方の顔も姿も分かりませんが、それでも貴方が何処にいて、どんな構(かま)えをとっていて、これからどんな動きをとってくるのか。

そのくらいの事なら僕には手にとるように分かります。

貴方は勝てませんよ。

散々、視力の無い事を馬鹿にしてきたんでしょう。

ボスの隣で、いつもブツブツとモノを言う僕を、何も出来ない弱者だとでも、思っていたんでしょう。

でもね、違うんですよ。

僕は4天皇の更に上…ボスの一部であり、ボスの手であり…足であり…そして、心眼なんだよ。」



32コードネーム:狐「何を喚いているのかな?

僕は狐だよ?

他人(ヒト)を騙してなんぼ。

欺(あざむ)いててなんぼの性分(しょうぶん)なんだよ。

ッフフッフハハハ!!

これしきの事で怒るなんて、駄目だよ。

こんなのほんの序(じょ)の口。

本番はコレからなんだからさ?」



33脱出ゲーム「全員脱出するってぇ??

ンフフ…ンハハハ!!

可笑しな事を言いますね。

このゲームはサバイバルゲーム…全員死ぬ可能性だってあるこのゲームを…貴方、全員脱出するって…笑

ッフフ…。まぁ、無理だと思いますけど?せいぜい頑張ってみちゃってください。

もしかしたら、ひょっとすると奇跡みたいなものが起きるかも??しれませんね??笑」



34「うっさいのぅ?

己ぁ猫の端くれじゃけ。縛られるんわ好きじゃあ無いんじゃがのぅー。

どうもアンタは、ワシの事を勘違いしとるみたいじゃけ、教えてやろうかの。

ワシはアンタと組んだ覚えは無い。

ただ己の進む道にたまたまアンタがおっただけじゃ。

一緒に側歩いとるだけの他人じゃ。

じゃけぇのぅ。ワシに指図するなや。」



35「ナハ!ナハ!ナハ!

バーカじゃないのー??

何も知らないで…"絶対助ける"って。

お前達が本当に正義なのかぁ??

正義は、1人1人違うんだよ。お前達が正義を振りかざしてる裏で…必ず泣いてる奴が存在する。

それってどうなんだ?

図星みたいなだな?ナハ♪

なーら引っ込んでろよ。偽善者共が!」



-----✂︎----2020----✂︎-----

36「オヤァ??ノックもせずに入ってくるとは…全く無礼な鼠(ねずみ)共だ…。

23年前…そう。お前達はまだガキだった。

お前達は、この日を待ち焦がれていた筈だ。

非力だったお前達が?ああやっと!やっと仲間を救出出来るだけの力を得た!!

そうやって喜び勇(いさ)んで立ち向かって来たのだろう??

ククク…だが誤算だった様だね。

フフフ…そう急(せ)かすな。

人間の脳ってモンはデリケートなモノでねぇ、改造に少しばかり時間を割(さ)いてしまったが…

調度今朝…改造を終えた所だ。

見るが良い!!私の改造生物の最高傑作を!!

オヤァ?かつての仲間だからといって油断をしない方が身の為だ。

彼はもう彼であって彼ではない。

最高の人形怪物なのだからなぁ!!

ああ、勿論好きにして貰って結構。好きに出来れば。の話だがねぇ?フハハハハハ!!」



37「あれ?僕は悪人ですよ。

ははぁw何を勘違いしていたんだか。

僕は君を救う気も無ければ…無事に此処から出させる気も無いんですよ。

それを勝手に勘違いするだなんて、本当に貴方は間抜けなヒトだ。

さぁ、何をしているのです?

まだ絶望するには早すぎる。

もっと足掻いてください。もっと抵抗してください。

そうでなければ、面白く無いでしょう??」



38「はて?先の戦で、貴様等の一族は滅びたと聞いたが…?何故まだ生き残りがいるのか。

我は心底疑問じゃ。

まぁ良い。虫けらというのは、しぶとい生き物じゃからな。

だが聞け。所詮虫けらが何度我らに歯向かおうが、抵抗しようが

そんなものは己等一族の死期を早めるのみに過ぎん。

聞こえんか?土の下に隠れて静かにしている方が、身のためじゃと言っておるのだ。

ンフフフフ。人の忠告を聞けぬようだな。残念じゃが、我もそこまでお人好しでは無い。

そんなに死にたくば、此処で殺してやるわ。」



39「何よ、その顔。

騙される方が悪いのよ。

女はねぇ、男の玩具じゃないのよ?

出来る女っていうのはね?男を踏み台にして のし上がるの。

どんな方法で王座に座ろうが…そんな事はどうでも良いの。

重要なのは結果。

今…私は貴方の上にいる。

貴方を自由に出来る権力がある。

貴方が何と喚(わめ)こうが、それが現実なのよ。」



40悪女「悪女?失礼ねぇ。元々、私を勝手に信用してきたのは貴方じゃない?

女ってね、猫を被る生き物なのよ。

騙されたく無ければ信じない事。

信じる方が悪いって、ママか先生に教わらなかった??

まぁいいわ。とにかく、貴方には協力してもらう。

貴方は断れないはずよ?

貴方は既に、私の縄張りの中なんだから。」



41「クロウ…私は、罪を犯した。

この命を捧げようが決して償い きれない 大罪を。

私は これから死ぬのかもしれない。

そして来世でも、その罪の償いを受けなければならないのかもしれない。

クロウ…もう一度だけ、貴様に会いたかった。

もう一度だけ…その声を聞きたかった。

当たり前のように日常だったそれが今は喉から手が出る程に恋しい…。

可笑しいな。私が貴様に 私に近づくなと命じたのに。

嗚呼、呼べば届くのなら、何度だって叫んでやる…。

クロウ…クロウクロウクロウ!!私は貴様に…会いたい!!」



42「アラアラごめんなさい?

足元までは見えませんでしたの。

所で、此処は我が屋敷の敷地内のはずですが…。

どうしてこんな所に?

ふうん?そう。

でしたら御生憎様(おあいにくさま)…貴方の様な下級人種に分け与えるだけのお金は持ち合わせておりませんの。

1銭も…ご用意出来ませんのよ?

ごめんなさいね?笑」



43「んふ(笑)んふふふ(笑)

そう。そうなの。庶民は大変なのね。

満足に食事も食べられないだなんて…可哀想に。(笑)

分けれる物なら分けてあげたいくらいだわ?

あ、そうだ。屋敷ででた残飯を庶民に贈るっていうのはどう?

確かに残飯は残飯だけれど…飢え死にするよりはマシなんじゃない??(笑)」



44「アラアラ悪い子ねぇ?

私から本気で逃げ切れるとでも思ったのかしら?

もし そうだとしたら…"悪い子"じゃなくて…単なる"お馬鹿さん"かも。

ウフフ…ホラ?言ってごらんなさいよ。

ただ宛もなく逃げ回ったり、活路の一つも無く勝負に討って出る程…お馬鹿さんじゃあないでしょう?

まぁ…ある程度の察しくらいはついているわ。大方 私の気でも惹きたかったのでしょ? 

ほら言ってみて??貴方の本当の狙いは?逃げた女は何処??

チッ…………悪いけど、本物の悪女っていうのはね とっても諦めが悪いのよ。」



45「んふふふ。貴女に何が理解できるって言うんです?
無理ですよ。絶対に無理。
彼はね?私のこの泥だらけの手を取って、"一緒に生きよう"と言ってくれたんです。
そんな彼も理解出来ないで、何が解るんです??」


✄------------2021------------✄

46「…呆れたな。
その程度か。その程度で貴様は果(は)てるのか?
…私は、いつしか羨ましくなったのだ。
貴様等は、楽園を護るべくして戦っていた。どの様な時にも、貴様等の思想(しそう)には家族があり、友があり、そして平和な世界があった。
この私が、あるいはその様な生き方も、悪くは無いのかもしれないと揺らいだのだ。
…勇者。私はこの闇を持って…お前を葬(ほうむ)ろう。
だがいつの日か、延々(えんえん)とこの世を支配する闇に光をもたらしにやって来るのだ。
これは、貴様の成すべき試練なのだから。」


47「くくっ。くくくく。(笑)
誰が味方だって??
私がいつ味方になった?
私は、私の成すべき結果を出すために行動をしたまで。
貴様らとお仲間ごっこをしていただけにすぎないんだ。
最低?最悪?ふはははは!最高の褒め言葉だ。
だがいいか?悪いのは騙した方ではない。悪いのは…騙された側なんだよ。」


48「…忘れたのか?
ならば教えてやろう。
誰がお前の母たるか…誰が主人たるかを。
世界は崩落(ほうらく)する。
生きる為には、それを成し得る創造主(そうぞうしゅ)が必要だ。
お前は忘れているであろうが、今は2つに分かれた白と黒も、元をたどればたった1つの国だったのだ。
果たして、どっちが悪でどっちが善であろうな?
決めるのはお前であって構わないし、誰であっても構わない。
私は行く。じっと崩落を見ているわけにもいかないからな。」


49「あ~。残念残念。

まぁだ生きていたんですねぇ?

ああ失敬。もはや素性を隠すのも面倒だったので。

私ですか?私は魔王軍四天王が一人〇〇です。

それにしてもよく生きて此処まで辿(たど)り着きましたねぇ?

敵ながらアッパレです。

が、しかし残念ながら…貴方には此処で死んでいただきます。

魔王様の計画に、貴方は不要で…単なる邪魔者ですからねぇ!!」



50「ふぅん?ま、僕は構わないけどねぇ?

君が最初に目をつけたんだ。

どんな殺し方をしようが君の好きにしたらいい。

けど、僕にも少しは噛(かじ)らせてよねぇ?

君ばかりが美味しい思いをするなんて、そんな面白くない話はごめんだからね。」



51勇者に救われる悪役「…不思議な気分だ。まさか、貴様に助けられるとはな…。なぜ我を助ける?

世界を闇に葬(ほうむ)ろうと目論(もくろ)んでいる我を、勇者である貴様が救う等(など)と…。この様な不可思議な事情(じじょう)はあるまい?

……傷の癒(い)えた我が、貴様等に加担(かたん)する保証など、どこにも無いというのに……。

…?…苦しむ姿を、見て見ぬふりは出来なかった…か。

いかにも、能天気な貴様らしいな。」



52「まぁーた君ですかぁ。

まったく、…邪魔をするのはいつも、君達人間なんですねぇ?

私はもう飽きてしまいましたよ。

あなた方に構っている時間など無いと言うのに…。

さぁ、皆さん?時間はありません。

さっさと蹴りをつけてしまいましょう?」



53「んー?誰が君の味方だって言った??

そうやって、すぐ他人を信用しちゃうところ…虫酸(むしず)が走るよ。

笑顔だった?あの言葉は本物だった??

何を根拠に言ってるのさぁ?

表情だって、言葉だって、なんだって作れちゃうんだよ。

それなのに信じちゃうなんて。信じちゃう方が悪い。騙される方が悪い。…だろ??(笑)」



✄- - - - - - 2022 - - - - - ✄