3個
1足「これは、幽霊である私が話す自分自身の死についてのお話です。学校の帰り道。私は、いつもとは違う帰り道から帰路についた所だった。
自宅まではあと20分くらいだろうか。街灯のみが道を照らす狭い一本道で、私はとある"違和感"に気づいた。
…それは、なんというかだんだんと歩む足が軽くなって行くような。もう半分は宙に浮いているのではないかと錯覚させるような…しかし、見ると私の足は、きちんと地面について、その歩みを進めている。
気のせいかと思い、そのまま歩みを進めるも、その"違和感"は徐々に徐々に強くなっていく。
けれども、何回足元を確認しても、やはり私の足は地面の上。
しかし、もう私自身に歩いているという感覚は無く…そのまま、気を失ったのか、それとも眠っていたのか。気がつくと、私の足が道路上に立つばかりの光景が目の前にはあったのです。
立つ…といっても、その足に膝から上はありません。
ただただ、二本の足がその持ち主を待つかのように、立ち尽くしているのです。
…その後、近隣の人によって見つけられたその足は、私の家族のもとへ帰りました。
私?私は…足を失って、歩けないまま、今もこの狭い道に立っています。」
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2沈没船の霊「はぁ、ああ、あああ。
寒い。寒い。
誰かきて。狭い。苦しいの。
帰りたい、帰りたい、帰りたい。
私は此処、此処よ。此処よ!!!
息が苦しい。身体が潰される。痛い、痛い。
あああああ…なんで来てくれないの。
何年も何十年も ワタシは此処で待っているのに。」
3席取りゲーム。「昔、まだ幼い頃にトイレの花子さんとか、階段の足音だとか音楽室のピアノの音だとか、テケテケさんとか…いろんな怪談話を聞かされてきたでしょう??
それじゃあ貴方は知ってる??
多分知らないと思うけど。3年1組の後ろから2列目、窓際の席にずーっと座っている○○(自分の名前)の話。
その人はずーっとそこにいたの。
何度席替えをしても、どんな時にも、虐められても。
最後に自殺をした時もその場所だった。
机には殴り書きのような字で"私はこの場所がすき"と書いてあったんだって。
そしてその人の死に顔は悲しむでも苦しむでもなく笑ってたんだって。
本当に好きだったんだ。
この場所が。グラウンドを駆け回る生徒達やたまに入ってくる野良犬や風にこがれるブランコが、全部全部見えるから。
何一つ欠けてはいけなくて、全部が私の世界だった。
だから、耐えられなかったの。
この席に他の誰かが座るだなんて。
そう。此処は私の場所。
私はこの場所がすき。」
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